シマリスの不正咬合〔Ver.2〕歯が口から飛び出てます!

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牙のように歯が伸びる

餌が上手く食べれていないなと思ったら、歯をのぞいてみて下さい。切歯が伸びているかもしれません。

なぜなるの?

シマリスは切歯が常生歯で、生涯のび続けます。ケージをかんだりすることで切歯の生える方向が変わり、上と下の前歯がうまくかみ合わなくなります。特に下の前歯が牙のように伸びることが多いです。

どんな症状?

切歯が上手く使えないので、初期は硬い餌をかじることができなくなります。

シマリス不正咬合

次第に切歯もさらに伸びて口から飛び出てきます。口が上手く動かせなくなり、餌を食べる量も減ってきて、やせてきます。

シマリス不正咬合
シマリス不正咬合

 

治療はどうするの?

完治するとこはできません。定期的に伸びた切歯をカットして食べやすくします。

シマリス不正咬合

激しく抵抗するシマリスでは、全身麻酔で前歯をカットします。カットをする間隔は個体差があり、多くは2~6週毎になります。基本的に切歯が上手く使えないので、前歯でかじるクルミやペレットなどの硬い餌は食べれません。あらかじめ臼歯で食べられるように細かく砕いてあげたりして下さい。

予防は?

絶対に金網のケージはかじらないようにして欲しいのですが、とても難しいです。シマリスが興味あるかじり木を与えて、そちらに気が引くようにしてください。ストレスが貯まるとかじる傾向にあるので、十分な運動をさせるなどのストレス対策が必要となります。

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この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。