ペレットでなくぺリット
ペリット(Pellet)は、鳥が食べたもののうち、消化されずに口から吐き出されたものを指します。餌のうち消化しきれない毛や骨をまとめて塊にして吐き戻す行動が、一部の鳥類でみられ、特に猛禽類 (ワシ、タカ、フクロウなど) が有名です。鳥類以外にも爬虫類や海生哺乳類の一部の種類でも同様の習性があるそうです。
猛禽類の餌はマウス・ウズラ・ヒヨコなどで、骨、被毛ならびに羽根、繊維質など植物の消化できない部分など、全て丸ごと捕食するために、消化することが出来ない部分をぺリットとして吐き出す必要があります。ペリットの表面は被毛や羽毛、食物繊維などの柔らかいもので包まれていることが多いです。
機序
基本的に1日に1回程度のぺリットの吐き戻しが見られ、ペリットを吐き出すことで、そ嚢や胃から難消化性の物質を取り除くことができます。なお、野鳥では吐き出したペリットを解体して調べれば、採食した餌が解明され、食習慣や行動を研究する上での重要な資料となっています。ペットの猛禽類では餌以外を誤飲した場合、運が良ければペリットとして吐き出されることもあり得えます。ペリットを吐く理由は、野生界では食物として摂取するに適した部分を時間をかけて食することができずに、一気に摂取しなければならないため、危険回避のためもあります。
ぺリットの大きさ
ワシタカ類やフクロウ類のペリットは灰色~茶色で、形状は球状から楕円、くさび形などで、大型種では3~5cmの大きさになるものもありますが、小型種では1~2cm程度です。ペリットの吐き戻しは、採食から数時間~10時間後くらい経ってから起こり、基本は餌の回数にも比例する。
ぺリットを吐く鳥種
モズ、ツバメ、ハチクイ、多くのシギ類などの肉食性や魚食性の鳥です〔Wang et al.2009〕。ペリットを出す前兆は、口を大きく開けて、気持ち悪そうに頸頭を前に突き出す姿勢が見られます。
ぺリットは形成
そ嚢や胃(筋胃)で不消化物を分別し、筋肉の収縮によって口から吐き戻す。ワシタカ、ハヤブサ類は、ペリットをそ嚢で、フクロウ類はそ嚢を欠くため、筋胃で行われる。
猛禽類をペリットの状態で健康チェック
●ペリットが餌の被毛や羽毛の色をしている場合
→健康
●ペリットに肉が混ざっている場合
→ペリットを吐き戻す前に餌を与えませんでしたか?
●ペリットが湿り過ぎている場合
→水分を多く含む餌を摂取した場合か、あるいは病気?
参考文献
- Wang LK,Chan M,Chan YM,Tan GC,Wee YC.Pellet-Casting by non-Rapterial Birds of Singapore.Natuer in Singapore2:97-106:2009