ハリネズミでは子宮疾患が多発し、症状は外陰部からの出血性分泌物および血尿、体重減少などが見られます〔Mikaelian et al.2004〕。なお、意外と食欲不振は少ないことが特徴です。陰部からの出血が少量であると発見が遅れますが、子宮からの出血性分泌物、濃い血のような感じです。床敷に血が付いているで発見されますが、麻酔下で検査をしない限り、どこから出血したか分からないこともあります。
ハリネズミにおける子宮疾患の病理組織学的検査がいくつか報告されています。ヨツユビハリネズミ50頭の子宮疾患の病理組織学的検査をしたところ、32%が子宮内膜増殖症、14%が子宮内膜ポリープ、54%が子宮腫瘤と診断されています。それぞれの発生年齢は子宮内膜過形成は28.7ヵ月、ポリープは29.4ヵ月、腫瘤が25.2ヵ月と相違はなかったです。なお腫瘤は、子宮内膜混合腫瘍、子宮内膜間質結節、肉腫と分類され、これらの腫瘤は子宮内膜症やポリープと併発もすることも多いです〔Chambers 2018〕。3~ 5歳での子宮腫瘤形成の報告では、肉腫が最も多く、その他子宮内膜ポリープ、平筋肉腫、平筋肉腫でした〔Mikaelian et al.2004〕。
■Chambers JKProliferative Lesions of the Endometrium of 50 Four-Toed Hedgehogs ( Atelerix albiventris).Vet Pathol55(4):562-571.2018 ■Mikaelian I et al.Spontaneous proliferative lesions and tumors of the uterus of captive African hedgehogs (Atelerix albiventris),J Zoo Wildl Med35(2):216-20.2004