【病気】トカゲモドキとヤモリの腋下ポケットと水疱

発生

ヒョウモントカゲモドキにおいて脇下のポケット(Axial pockets,Aarmpit)があり、そのポケット膨らみ、またヤモリでも脇下に水疱ができることがあります。腋下の膨らみや水疱は、脂肪、ビタミン、タンパク質、カルシウムなどのミネラル、リンパ液が含まれていますが、詳細は不明です。成体が肥満あるいはカルシウムを多く摂取している場合に、特に見られる生理現象とも言われています。オスとメスの両方で発生し、疼痛や不快感はなく、一般状態において何らかの問題を引き起こすこともありません。また、水疱であっても破裂することはありません。

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原因

多くが以下のような生理現象と言われていますが、一部では病的な症状のこともあります。

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生理現象

単にビタミン、タンパク質、カルシウム、その他のミネラルなどを蓄えており、これらは健康の兆候であり、脂肪を蓄えているとも言わていますが、体重が減ると消失するためです。ヒョウモントカゲモドキの肥満の兆候は、尾にも脂肪を蓄えて太くなりますが、尾の貯留が限界に近づくと、同じ現象が腋下でも起こるという考えです。脂肪や水疱は一晩で現れて1、2日後に消えることもあれば、数週間、あるいはそれ以上残ることもあります。以前より大きく見えることもあれば、片腕の腋下方のみ残ってますが、もう片方が消失することもあります。カルシウムと水が貯留して水疱を形成するのは、余分なカルシウムを身体内に蓄える防備手段の1つと言われています。軟部組織にリンパ液が溜まった水疱の可能性もあり、肥満がその原因とされています。

病的現象

ミールワームやコオロギにかまれての外傷、ヒートライトに近づきすぎたり、熱い石の上に長時間座ったりしての熱傷、その他の原因で、水疱ができることがあります。

診断

多くが生理現象ですが、病的であると、痛みを伴う膿瘍であったり、食欲不振や活動性の低下なども起こります。膨らみや水疱の内容物を穿刺して細胞診検査を行って鑑別します。水疱だとタンパク質が豊富なリンパ液と判定されます。

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この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。