ミーアキャットの肛門腺摘出手術~した方がよいですか?

オスは嗅います

オスは肛門に1対の臭腺(しゅうせん)があり、これを肛門腺(こうもんせん)と呼ばれます。白色~黄褐色の分泌物を興奮したり、発情すると放ちますが、特有のきつい嗅いがします。オスは肛門腺からの分泌物のためにメスよりも嗅います。オスの嗅いは肛門腺からの分泌物だけでなく、肛門周囲の細かい分泌腺や体全体の体臭も関与します。下の写真の右側の白色の点が肛門腺の開口部です。その周囲の茶褐色の領域が細かい分泌腺です。

肛門腺を取ると嗅わなくなる?

嗅いは確かに減りますが、完全に嗅わなくなるわけではありません。体臭はある程度は残ります。

手術はどんな感じ?

全身麻酔で行います。1対の肛門腺を一度の手術で摘出を行います。健康な個体でないと全身麻酔から覚めないこともあるので、経験のある獣医師に手術は依頼しましょう。

 

同時に去勢もした方がよいの?

一度の麻酔で、去勢手術も可能なら行った方がよいです。体臭も、尿によるマーキングも減ります。

ミーアキャットのオスの陰部
ミーアキャットの肛門腺
ミーアキャットの精巣

  

手術は何歳の時にやるの?

性成熟する前に行った方が効果的ですが、体の大きさや体力なども考慮すると、3~5ヵ月齢で手術をするのが理想になります。

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。