【病気】爬虫類のダニとダニ媒介感染症(人獣共通感染症)

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発生

WC個体であれば野生の環境で外部寄生虫に感染し〔Hellebuyck et al.2007〕、CB個体であれば、同居個体あるいは床敷から感染したことが考えられます。いずれも夏の高温多湿の時期に多く、ダニが繁殖した床敷から寄生します。したがって、熱帯諸国の現地から輸入された個体に多発します〔Cumming 1998,Barnard et al.2000,Hernandez-Divers 2006〕。そして、これらの外部寄生の中には人獣共通感染症の危険性があり、公衆衛生に密接に関係しているものもあります 〔Hellebuyck et al.2007〕。特にダニは爬虫類で最もよく遭遇する寄生虫です。それらは、吸血による貧血、機械的刺激によるストレス性の掻痒、または他の病原体(フィラリア、血液寄生虫、ウイルス、細菌)の媒介など、さまざまなメカニズムで宿主に影響を及ぼす可能性があります。世界中で500種を超えるダニ類(ダニ亜綱)が両生類および爬虫類に寄生しています〔Mendoza-Roldan et al.2020〕。

ダニの種類

爬虫類にはマダニ亜目と中気門亜目に属するダニが寄生します。ダニは皮膚ならびに鱗の表面に寄生し、脱皮の過程でダニの個体数が散発的に減少するため、野生個体では重度の寄生が見られることはめったにありません〔Davies 2008〕。したがってダニの寄生で問題を生じるのは飼育下の個体で、皮膚炎を起こしたり、また感染症の媒介者として恐れられています〔Reichenbach-Klinke 1977〕。ダニの寄生は、特に過密な飼育環境、不適切な飼育環境 (小さなテラリウム、高温/高湿度) でよく見られます。爬虫類の至適環境温度ならびに高湿度はダニの繁殖を助長します。簡単に言うと温かく、ジメジメした環境はダニが増えやすくなるので、爬虫類においてのダニの寄生は根深い関係があります。ダニは吸血をする際に宿主に損傷の皮膚を与え、炎症を引き起こすことがあります。マダニ亜目は7つの科と 30 を超える属を含まれ〔Rezende et al.2012〕、大きなダニで、皮膚炎および掻痒を引き起こした後では届かない場所(例:頭部、鼻腔、腋窩、関節、足指、総排泄腔)を選び移動します〔Chilton et al.1992,Bannert et al.2000〕。中気門亜目は 5つの科と18属を含まれ〔Lizaso 1982〕、小さなダニで宿主の体に均等に付着します〔Bertrand 2002〕。一部のダニは宿主の呼吸器系(例:ヘビのエントニス科)に付着するものもいます〔Fain et al.1983〕。

ヘビダニ

種類・ライフサイクル

ヘビに寄生するダニは中気門亜目のヘビダニ(Snake mite) (Ophionyssus natricis)が有名です〔Camin 1948,1953、Fitzgerald et al.2006、Wozniak et al.2000、Rodriguez et al.1992、水尾ら2012、Jacobson 2007〕。ヘビダニはヘビだけでなく、多種多様な爬虫類が同居することでトカゲ(イグアナやアゴヒゲトカゲなど)にも見られますが〔Beck et al.2006,Fitzgerald et al.2006〕、カメへの寄生は希で、ヘルマンリクガメでの1件の報告のみです〔Wiechert 2007〕。ヘビダニのライフサイクルは7~16日と比較的短く、卵、幼虫、第1若虫、第2若虫、成虫の段階から構成されます〔Camin 1953〕。寿命は摂食の有無にかかわらず約40日になります。卵は淡い色をしており、大きさは 400~300μmで、発育が進むにつれて極の1つが黒くなります。湿度が85%以上、温度が20~30℃の場合、1~4日で孵化します。幼虫は白色をしており、脱皮するには25~30℃で湿度が75%を超えると、24時間以内に脱皮して若虫になります。第1若虫は発達した鋏角を持ち、適切な宿主に接触すると吸血を開始し、1回の吸血で25℃で3~7日間生存できます。吸血後12時間から48時間で、90%が次の段階である第2若虫へと脱皮します。第2若虫は吸血をしないために宿主上で見つかることは稀で、24~26時間で脱皮して成虫になります。成虫は雌雄二形性で、吸血を行います。体は茶色を帯びており、尾部に向かって細くなっています。メスの体長は1.5mm以下ですが、オスよりも大きく、1~2週間の間隔で4~8日間、2~3回の吸血を行います。メスは1回の吸血で体重の1500%以上の血液を摂取し、1回で約20個の卵がテラリウムの内側に産み付けられます〔Wozniak et al.2000〕。成虫のメスは、メスだけが孵化する卵を産み、卵が受精しない場合は、単為生殖によってのみオスが孵化します。ダニは目的を持って移動することができ、特に上方に移動する傾向があります。そのため、多くのダニがテラリウムの上部に見つかり、ダニは通気口から逃げ出し、部屋のすべてに蔓延することもあります。ヘビダニは人への感染の報告もある人獣共通感染症としても重要で〔Schultz et al.1975〕、丘疹性水疱性発疹〔Schultz 1975〕やその他の咬傷関連皮膚炎〔Beck 1996〕を引き起こす可能性があります。

症状

感染したヘビは、無気力、脱皮不全、掻痒が見られ、行動の変化 (入浴時間の増加、物への擦り付け) を示すことが多いです。多数寄生で重度な貧血やエロモナス菌(Aeromonas hydrophila)の機械的に伝播されることでの敗血症になることが知られており〔Jacobson 2007〕、また封入体病(IBD)の原因ウイスルのキャリアーとなることも知られるので、ヘビダニの寄生は警戒すべきです。

 

診断

ダニは自由生活期(卵と後幼虫)と寄生期(初幼虫と成虫)の両方で定期的に対策を検査することが極めて重要で、ダニは肉眼または拡大鏡で簡単に識別でき、確定診断は鏡検することでダニであると診断でsきます。黒いダニは白い背景でより見やすくなります。便利な方法は、ヘビの側面をガーゼで拭いてすぐに検査することです〔Wozniak et al.2000〕。成虫のダニの大きさは1.5mm以下で、普段は淡茶色をしていますが、吸血時するとは赤または黒色に見えます。また、白色の容器に入れた温水でヘビを洗うと、ダニが黒い斑点として漂っているのを観察することで診断できます〔Davies 2008〕。自由生活期のダニはケージの蓋の下に白い吸い取り紙を置くことで検出できるかもしれません。

治療

自由生活段階と寄生段階があるライフサイクルのため、治療および駆除するのは容易ではなく、完全駆除に費用と時間がかかり、再発率も高いです。そのため、殺ダニ治療と徹底した環境処理を行う必要があります。駆虫は、哺乳類と同じくピレストリン、ピレスロイド、有機リン酸塩、イベルメクチン (局所用スプレーまたは皮下注射)、フィプロニル、およびジクロルボスの投与が行われます。特にフィプロニル 好んで使用されていますが、通常忍容性が高いですが、爬虫類では副作用の報告もありますので、決定的な治療薬とは言えません。特にボアやカメレオンの幼体では、毒性反応が副作用として発現しています〔Beck et al.2013〕。一方で、イベルメクチンは0.2mg/kgの皮下に週1回の投与で3週にわたり治療を施し、ダニが駆除できた報告もありますが〔Rosskopf 18982〕、ボールパオソンとインディゴ スネークなどの一部のヘビの種類では、神経学的症状を引き起こすことも知られており、非常に危険で、致命的になることもあります。そして、ピレスロイド系の殺虫薬が、このダニに対して高い有効性があることが示されているため〔Mader 1996〕、著者は各薬剤の副作用を懸念して、目視できるダニはピンセットで用手で除去し、ピレスロイド系薬剤であるフェノトリン(スミスリン®)シャンプーでさらに全身の薬浴を行い、ブラシで鱗間を擦って浸透させる方法をとっています。そして、アフォキソラネル2.5mg/kgの単回経口投与で、環境整備の必要もなく、ヘビダニを完全に駆除できた報告もあります〔Mendoza-Roldan JA et al.2023〕。

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成虫段階と前幼虫段階はどちらも寄生性で、ヘビに寄生して吸血しますが、対照的に幼虫と後若虫の段階は非寄生性の自由生活段階で、環境整備に努める必要があります。ケージをピレスロイド系消毒薬を使用し、消毒後は熱湯で徹底的に洗い流し、10~14日ごとに繰り返します〔Sidon et al.1988〕。石やボウルなどの装飾品も同様に処理できますが、樹皮や土は捨てるべきです。なお、飼育容器内の温度が50~55℃を超えると、すべての段階の幼虫が死滅し、湿度が50% 未満に留まると発育が停止します〔Fitzgerald et al.2006、Wozniak et al.2000、Greiner et al.2006〕。掃除に洗剤を加えて洗浄すると水の表面張力が低下してダニが溺死するため、洗剤を加えることが推奨されます。これは化学除染の代替として使用できます。移動するダニを除去するために、掃除機を使用して部屋全体を徹底的に掃除します。

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その他、アフォキソラネル2.5 mg/kgの単回経口投与が複数ヘビのヘビダニに安全な治療であり、ヘビの環境を治療する必要なく、ヘビダニの感染を根絶するのに100%効果的でした〔Mendoza-Roldan JA et al.2023〕。フルララネルを使用した症例でも、大規模な環境清掃を行わなくても、ボールパイソンのグループの外部寄生虫を効果的に駆除できました〔Gobble 2022〕。

トカゲのダニ

種類・ライフサイクル

トカゲにはプテリゴソミドダニ(Pterygosomid mites:Pterygosomatidae 科が分類名であった)の寄生が有名で、本科のうち、Cyclurobia、Geckobia、Geckobiella、Hirstiella、Ixoderma、Pterygosoma、Scaphotrix、Equisistlana、Zonurobia の9属が検出されます〔Gazyagci et al.2011〕。これらのダニは、オレンジ~赤色をしており、アガマ科、カタトカゲ科、ヨロイトカゲ科、ヤモリ科、イグアナ科、シンネッタイトカゲ科のトカゲに好発します。特にイグアナ、ヤモリに寄生するダニはヤモリダニ科(Pterygosomatidae)のダニで〔Fajfer 2019、Stanislav et  al.2012〕、俗称で トカゲダニ(Lizard mite)と呼ばれています。ヤモリダニ科の中で、ヤモリはGeckobia属やGeckobia属、アガマ科のトカゲ(フトアゴヒゲトカゲ)はPterygosomaイグアナはHirstiella属が多く検出されます〔SEVİM et al.2022〕。爬虫類の外部寄生虫感染の研究の大半は、グリーンイグアナから検出されるHirstiella属になります〔Altınok Yipel 2014、Pasmans et al.2008、Tavassoli et al.2017〕。

症状

ダニは主に目の周り、首、顎下、腋窩、鼠径部、尾、皮膚の折り畳まれた部分に局在し〔Pasmans et al.2008〕、吸血をしています〔Schmäschke et al.1997、Delfino et al.2011〕。これらのダニは痒み、痂皮形成、脱皮不全、潰瘍性皮膚病変を引き起こします〔Cervone et al.2016〕。感染した動物には食欲不振、抑うつ、無気力などの臨床症状も見られ〔Altınok Yipel 2014〕。これらのダニはリーシュマニア属やヘモグレガリン属などの病原体の伝染を引き起こすことが知られています 〔Pasmans et al.2008〕。

フトアゴヒゲトカゲのダニ

イグアナに寄生することが多いHirstiella 属のダニは、吸血すると切れな赤色になるので、アカダニ(Red mite)と呼ばれています。

フトアゴヒゲトカゲでは脱皮不全を起こすことが多いです

グリーンイグアナでは鱗が壊死しやすく、黒色皮膚病という呼称が一般的に使用されています。

重度の寄生では、貧血ならびに衰弱がよく見られます〔Mader et al.1986、Farmaki et al.2013〕。これらのダニは、血液寄生虫(シェラッキアまたはヘパトゾーン)の伝染にも関与する可能性があります。

診断

治療

治療薬はヘビダニと同様に考えて行っています。トカゲのダニもぬるま湯への浸漬、オリーブオイルの全身塗布、有機リン酸塩、カーバメート、ピレトリンまたはピレスロイドのスプレー、シャンプー、イベルメクチン注射などが上げられますが、安全性と有効性の点での、種類毎の相違もあります〔Mader et al.1986、Farmaki et al.2013〕。著者は各治療薬の副作用を懸念して、目視できるダニはピンセットで用手で除去し、ピレスロイド系薬剤であるフェノトリン(スミスリン®)シャンプーでさらに全身の薬浴を行い、ブラシで鱗間を擦って浸透させています。そして、ケージをピレスロイド系消毒薬で消毒し、その後は熱湯で徹底的に洗い流し、10~14日ごとに繰り返します〔Sidon et al.1988〕。

イベルメクチンスプレー

海外でが爬虫類にも使用できるイベルメクチン スプレーが販売されています、注射液1 パーセント溶液1mL (10mg) を0.95mLの水に混ぜて作ることができます。イベルメクチンは水に溶けにくいため、スプレーする前によく混ぜる必要があります。混合製品は30日間有効ですが、イベルメクチンは光に弱いため、使用しない間は暗いキャビネットに保管してください。爬虫類と環境に 3~5日ごとに、適切と思われる期間、軽くスプレーしてください

お酢の入浴

ダニを落とすための酢や薬を使った温浴をさせる方法です。普段の温浴のお湯の代わりに薄めた酢や薬が入ったお湯を使います。ダニは酢に弱いです。酢は人が口にする食酢を使うと安心でしょう。水200mLに食酢5mLを溶かしてお風呂にし、そこにダニに寄生された爬虫類を10~20分漬けます。最後にぬるま湯で全身を洗って下さい。

カメのダニ

カメに寄生するダニは大型のマダニが多いです。甲羅から出ている首や四肢の根元に寄生し、吸血して何倍にも大きくなります。なお、マダニはカメだけでなく色々な種類の爬虫類に寄生します。カメではAmblyomma(キララマダニ) 属(Amblyoma sparsum)、Aponoma属、Hyalomma(イボマダニ)属(Hyalomma aegyptium)、Haemaphysalis(チマダニ)属のマダニが検出されることが多いです〔五香ら2009-2010、高野ら 2012、Siroký et al.2000、Milhaca 2015、Burridge et al.2003〕。マダニの一般的なライフサイクルは、幼虫、若虫、成虫の 3 つのライフ ステージで構成され、それぞれが一定期間宿主で吸血し、宿主から離れて環境中で脱皮し、次のステージに出てきます。ダニの種類によっては、満腹した幼虫が宿主にとどまり、若虫に脱皮して再び吸血を始めます。成虫の雌は、満腹して交尾すると、宿主から離れて卵を産みます。産卵数は種によって異なります。ライフサイクルのプロセスは、気候条件、主に温度と湿度に大きく影響されます。吸血中のダニは長期間付着したままで、哺乳類の生活に応じて数日間続きます。爬虫類では、体に付着してから成虫の雌が完全に吸血するまでに数週間から数ヵ月を要することがあります〔Barnard et al.2000〕。そのため、ダニは宿主とともに新しい目的地に運ばれる可能性があります。ダニの種によって宿主特異性は異なり、1種類の宿主のみを餌とする種もあれば、2種類または3種類の宿主ライフサイクルを示す種もあります。

 

症状

ダニの寄生数が少ないと、無症状です。吸血時の違和感などはあるかもしれませんが、ほとんど分かりません。寄生数が多いと行動の異常や皮膚病が見られ、場合によっては体調が崩れることもあります。ヘビとトカゲに行動の異常が現れやすく、吸血による刺激と不快感が原因になります。具体的には行動の変化に現れ、入浴時間の増加や物への体の摩擦をします。貧血や敗血症は時々合併症として起こりますが稀なことです〔Schilliger et al.2013〕。マダニは吸血時に熱リケッチア、ライム病などの病原体を媒介する恐れがあります。爬虫類には無症状でも人に媒介するのか、詳細は不明です〔高野ら 2012〕。

診断

マダニは大きいため、多くは目視で判断できます。

治療

マダニは十分に目視できるため、可能な限り、すべてのダニを機械的に除去する必要があります。ダニは、口器を含むように鱗にできるだけ近づけて、専用のダニ用鉗子またはピンセットでつかみ、一方向にしっかりと引き上げます。動かし方がしっかりしていないと、口器が折れて皮膚に残ることがあります。これにより、特に湿気の多い環境で飼育されている爬虫類では肉芽や瘍が形成される可能性がありますので、注意して下さい。ダニを取り除いたら、刺された箇所をアルコールなどの消毒液で洗浄する必要があります。しかし、トカゲの鱗間にいる小さなダニや目周囲のダニはつまみにくいです。その時は薬浴をお勧めします。

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カメ以外のマダニ

トカゲやヘビにおいて、Amblyomma(キララマダニ) 属(A.latumm、A.exornatum、A.dissimile、A.nuttalli、A.rotundatum、A.exornatum、A.flavomaculatum、A.quadricavum、A. transversal、A.varanense)、Aponoma属、Hyalomma(イボマダニ)属(H.aegyptium)、Haemaphysalis(チマダニ)属、マダニ(Ixodes)属(I.pacificus、I.ricinus)のマダニが検出されることが多いです〔宮本ら 1994、Mendoza-Roldan et al.2019〕。

ダニ媒介感染症

爬虫類は、寄生虫、細菌、真菌、原生動物、ウイルスなど、爬虫類にとって無害な多くの生物を保有している可能性がありますが〔Mendoza-Roldan et al.2019、Barnard et al.2000〕。そのため、爬虫類はダニなどの外部寄生虫に関連する人獣共通感染症病原体の宿主となり〔Václav et al.2011、Ebani 2017〕、これを爬虫類媒介疾患(Reptile vector-borne diseases:RVBD)と呼ばれています。細菌(エロモナス属、エーリキア属およびアナプラズマ属、ボレリア属、リケッチア属、コクシエラ属)は主にダニ、ウイルスは双翅目、原虫などの原生動物(リーシュマニア症やトリパノソーマ症など)は両グループの媒介動物がベクターになります〔Mendoza-Roldan et al.2021〕。ベクターは、部分的に発達した状態で病原体を媒介する場合(生物学的ベクター)、または感受性宿主に伝染するまで単に運ばれる場合(機械的ベクター)があります〔Di Giovanni et al.2021〕。哺乳類や鳥類とダニおよび昆虫との宿主寄生関係については多くの研究が行われてきましたが、外部寄生虫と爬虫類の関係はあまり研究されていません〔Mendoza-Roldan et al.2021〕。特に、爬虫類の外部寄生虫に関する知識は主に生態学的および生物学的研究から得られているのみで〔Mihalca 2015〕、爬虫類や哺乳類種の病原体のベクターとしての役割、およびそれらの生物学的相互作用と伝染様式に関する情報は一貫して不足しています。

エロモナス

エロモナス(Aeromonas)属の細菌は爬虫類にとって重要な病原体であり、皮膚炎や敗血症を引き起こすエロモナス感染症の原因菌で、様々な脊椎動物に感染し、人への感染は主に水系(すなわち、傷口との接触および/または汚染された水や爬虫類の肉の摂取、および汚染された水に接触または生息する爬虫類によって生じた傷口)を介して起こる人獣共通感染症でもあります〔Lupescu et al.2015、Ebani et al.2008、Miranda et al.2017〕。人や爬虫類においてもダニがエロモナス菌を媒介することもあり得ます。ヘビダニ(Ophionyssus natrici)は、主にヘビにおいて、Aeromonas hydrophilaの機械的媒介となる可能性があることが指摘されています〔Camin 1984、Jacobson et al.2007、Lupescu et al.2015〕。

エーリキアとアナプラズマ

エーリキア(Ehrlichia)属とアナプラズマ(Anaplasma)属の細菌はリケッチアと同様に、人や動物の細胞内でのみ生存します。様々な脊椎動物に感染し、どちらもダニが人への伝播を媒介し、エーリキア症とアナプラズマ症の原因となります。しかし、リケッチアとは異なり、これらの細菌は白血球(エーリキア属は単球、アナプラズマ属は顆粒球)に寄生します。人でのエーリキア症(ヒト単球性エーリキア症)とアナプラズマ症(ヒト顆粒球アナプラズマ症)は、発熱、悪寒、筋肉痛、悪心や嘔吐などの非特異的症状を伴うインフルエンザ様症状が見られます。

Ehrlichia chaffeensisは人の単核球に感染する病原体で、イヌやヤギなどにも感染症を引き起こし、人ではヒト単球性エーリキア症が発症し、ベクターであるマダニローンスターダニ(Amblyomma americanum)の分布に合わせて、主としてアメリカで患者が報告されています。そして、反芻動物で心臓水腫を引き起こすEhrlichia ruminantiumは、世界中で爬虫類の様々なダニから検出され、ザンビアからアメリカに輸入されたヒョウモンガメのAmblyomma sparsuでのダニから検出され〔Peter et al.2002,Omondi et al.2017〕、懸念されています。また、E.chaffeensisCandidatus Neoehrlichia mikurensis は、日本に輸入された爬虫類の Amblyomma spp. のダニから検出されました〔Andoh et al.2015〕。Candidatus Ehrlichia occidentalisと近縁の菌が、日本産のウミヘビと陸ガメのAmblyomma spp. のダニから検出されましたが、病原性は不明です〔Qiu et al.2021〕。他にもエーリキア菌の細菌が、ルーマニアので陸ガメからのH.aegyptiumのダニイタリアのトカゲからのI.ricinusのダニ、マレーシアのヘビのAmblyomma spp.のダニから、それぞれ検出されています〔Paștiu et al.2012, Kho et al.2015,Mendoza-Roldan et al.2021b)。これは、爬虫類に感染するエーリキア属の細菌の分布と進化の多様性に富んでいることを示しています。

Anaplasma phagocytophilum(以前はE. phagocytophila)は,ウシ、スイギュウ、シカ、ヒツジ、ヤギなどの反芻動物がアナプラズマ症などに様々な家畜感染症を引き起こし〔Crosby et al.2021〕、人ではヒト顆粒球アナプラズマ症を発症させます〔Nieto et al.2009〕。A.phagocytophilumの主な媒介ベクターであるマダニ(L.pacificus、L.ricinus) は、特に幼虫と若虫において爬虫類を吸血することがありますが、研究上では爬虫類はリザーバーとしての役割が小さいことが示されています〔Nieto et al.2009〕。しかし、アナプラズマ属の細菌は、爬虫類に寄生するマダニ(L.ricinus、H.aegyptium)から分離され〔Václav et al. 2011、Tijsse-Klasen et al.2010、Paștiu et al.2012〕、Amblyomma flavomaculatum(ガーナのキボシオオトカゲダニ)やAmblyomma varanense(インドネシアのアジアオオトカゲダニ)など、爬虫類と厳密に関連する他のダニ種もからも検出されています〔Nowak et al.2010、Takano et al.2019〕。これらのアナプラズマ菌は、牛に影響を及ぼす種(例えば、Anaplasma marginaleA bovis)や人獣共通感染症を起こすA.phagocytophilumと遺伝的に類似している菌でした。貧血を起こしたアナホリゴファーガメの赤血球内に細菌で満たされた細胞質内液胞が見られ、これらの細菌は、形態学的にA.marginale に類似し、臨床分離株 (ここでは仮に「Candidatus Anaplasma testudinis」と命名) は、別の系統群のアナプラズマ属に分類され、A.marginale、A.ovis、A.centrale のグループに最も近縁であることが示されました。そして、貧血のある38頭の野生のゴファーリクガメを調査したところ、うち14頭がアナプラズマのPCR陽性でした〔Crosby et al.2021〕。

ボレリア(爬虫類群ボレリア)

ボレリア(Borrelia)属の細菌はスピロヘータの一種で、菌体両端からペリプラズム領域に伸びた鞭毛を回転させることによって運動性を備えています。基本的にボレリアは細胞内寄生を行わず、体液中や細胞間隙で生存するため、マダニ体内での移動にこの運動性は重要な要素となっています〔Harman et al. 2012〕。ボレリア属の細菌は遺伝学的に、ライム病群ボレリア回帰熱群ボレリア爬虫類群ボレリア(The Echidna-Reptile group:REPG)に大別され、〔Takano et al.2012〕、ライム病群ボレリアと回帰熱群ボレリアが、人の感染症の原因となります。ライム病群ボレリアはライム病を引き起こし、ノネズミやシカ、野鳥などを保菌動物とし、マダニ属のIxodes ricinus群によって媒介される人獣共通感染症です。本邦ではシュルツェマダニ(Ixodes persulcatus Schulze)によって媒介されるB.gariniiB.afzelii、ヤマトダニ(Ixodes ovatus Neumann)やアカコッコマダニ(Ixodes turdus Nakatsuji)によって媒介されるB. japonicaB.turdiiなどがライム病群ボレリアに含まれます。回帰熱群ボレリアは、ボレリア属の細菌による急性感染症状を主訴とし、菌⾎症をともなった再発性の熱発が特徴です。遺伝学的には1群ですが、ボレリアを媒介する節足動物が異なることから、近年,古典型回帰熱と新興回帰熱の2亜群に区別されています。古典型回帰熱は世界的にアフリカ諸国での感染例が多く、Ornithodoros属のダニやシラミによって媒介され、B.duttoniiB.hermsiiなどが含まれています。新興回帰熱(BMD)は、B.miyamotoi感染に起因する新しい感染症であるその流行地は北半球の一部に限定され、Borrelia miyamotoi disease(BMD)と呼称されるようになり、ライム病と同じにマダニによって媒介されます。もう一群は、主に爬虫類寄生性のマダニから分離される爬虫類群ボレリアですが、これまでは人への病原性は確認されていませんでした〔Hepner et al.2019〕。2004年にトルコの陸ガメから採取されたマダニ(Hyalomma aegyptium)からBorrelia turcicaが発見された後に特定され〔Güner et al.2004〕、最近の知見では、アフリカ、中近東、南アジア、日本に生息し、爬虫類にも寄生することができるHyalomma属やAmblyomma属のダニの一部によって媒介されると考えられています〔Takano et al.2010,2011〕。本邦でも諸外国から輸入された17頭の爬虫類のうち12 頭でボレリア感染が見出され、Testudo属の陸ガメより分離されたボレリアは,B. turcicaと同定されました。これらボレリアはリクガメの皮膚組織のみならず血液から高率で分離され、菌血症を起こしていることを示していました。また本ボレリアは筋肉や膀胱といった結合組織を多く含む部位からも分離されたことから、陸ガメに全身感染を起こしている可能性が考えられた。これらの爬虫類から検出されたマダニのボレリア陽性率は60%以上でした。そして、日本の天然記念物であるセマルハコガメ寄生性のカメキララマダニに焦点を絞り、ボレリア菌の分離検出を試み、228検体中72検体より上記ボレリアに類似のボレリア菌が検出されました〔高野ら2012〕。爬虫類関連ボレリアは、かつては特異な存在と考えられていましたが、現在では独特で重要な進化系統として認識されており、新しい宿主と関連して世界中でますます発見されています。その存在が人間や動物の健康に及ぼす影響は依然として不明です。

リケッチア

リケッチアは偏性細胞内寄生性の細菌で、狭義ではリケッチア属、広義ではリケッチア科の微生物の総称で、昔はウイルスと細菌の中間的な微生物と考えらえていました。増殖は宿主の血管内皮系の細胞内で行われ、宿主細胞の免疫低下時に増殖をし、宿主細胞から離れると急速に死滅します。そのため、リケッチアの多くは、無細胞の人工培地で増殖することはできず、シラミ、ノミ、マダニなどの節足動物を自然宿主(媒介ベクター)とし〔Parola et al.2005〕、ヒトや動物に各種リケッチア症を引き起こします。リケッチア症は、発熱、発疹、血液細胞の異常など、いくつかの共通した症状が見られ、日本でよくみられるリケッチア症の人獣共通感染症には、つつが虫病日本紅斑熱があります。特にマダニなどの節足動物の寄生が多い爬虫類はリケッチアの病原体の一部疫学に直接関与しています。アメリカ大陸の爬虫類のダニから分離されるRickettsia belliiが有名ですが、哺乳類の宿主に感染することは稀で、病原性はまだ不明です〔Barbieri et al.2012, Andoh et al.2015〕。爬虫類に関連する人獣共通感染が懸念されるリケッチア症のほとんどは、紅斑熱に包摂されています。例えば、フラインダ島紅斑熱の原因菌であるRickettsia honeiは、トカゲやヘビに生息するBothriocroton hydrosauri というダニから初めて分離されました〔Stenos et al.2003,Whiley et al.2016〕。アフリカ紅斑熱はRickettsia africaeによって引き起こされ、キララマダニ属のAmblyomma variegatumよって媒介されます〔Parola et al.1999〕。このリケッチア感染症は、北米に輸入された爬虫類に寄生するダニからも検出されました〔Burridge et al.2003〕。日本国内に生息するまたは輸入された爬虫類に付着していたダニ類についてPCRによってリケッチアの遺伝子を検出したところ、80検体中23検体(28.8%)〔安藤ら2008〕、76検体中33検体(◎%)〔高野ら2012〕から検出されました。これらの輸入マダニ類が多様なリケッチア種を保有していることが示された。特にアフリカより輸入されたリクガメに寄生していたAmblyomma sparsum等からヒトに病原性を示すRickettsia africaeの近縁種が見出されました〔高野ら2012〕。つまり、リケッチア病原体の疫学における爬虫類との関係は、爬虫類はリケッチア属菌を宿した外部寄生虫とともに国際取引によって全世界に流通しています。実際、爬虫類に寄生するダニの種の中には人間にも寄生するものもあるため、非流行地域でもリケッチア病原体が出現するリスクが存在することになります。

コクシエラ

リケッチア科コクシエラ属の細菌は編成細胞内寄生し、人獣共通感染症であるQ熱を引き起こす原因菌であるCoxiella burnetiiが有名です〔Johnson-Delaney 1996,Siroký et al.2010〕。本菌は自然界においてはウシ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ネコなどの動物体内に存在しますが、爬虫類とそのダニが病原体の保有者となることがあり、例えば地中海のカメに寄生するHyalomma aegyptiumのダニ〔Široký et al.2010、Paștiu et al.2012〕など、他の爬虫類に寄生するダニもC.burnetiiの媒介者として記録されています。ガーナから輸入されたAmblyomma nuttalliのダニの寄生があったニシキヘビと接触した人の間でQ熱の発生がニューヨークで報告されました〔Kim et al.1978〕。

ツツガムシ

ツツガムシ(恙虫)はツツガムシ科のダニの総称で、主に東アジアや東南アジアに分布し、日本では約100種が報告されています。ツツガムシは、卵、幼虫、若虫、成虫というライフサイクルで〔Durden 2002〕、卵から孵化した後の幼虫期にのみ、哺乳類、鳥類、爬虫類全般に吸着し、マダニのように吸血でなく、組織液を吸いますが、その後は土壌中で昆虫の卵などを摂食して生活します。成虫は赤色で、体長は0.2〜0.3mmになります〔Mandell Gerald 2005〕。ツツガムシの一部がツツガムシリッケッチア(Orientia tsutsugamushi)(以前はツツガムシ病リケッチアRickettsia tsutsugamushi)を保菌しており、ネズミ、鳥類、爬虫類などに寄生しますが、時には間を刺すこともあり、人獣共通感染症であるツツガムシ病を引き起こします〔Luce-Fedrow et al.2018〕。人の症状は発熱、斑状発疹およびリンパ節腫脹で、日本、朝鮮半島、中国、インドなどの風土病となっています。本邦でのツツガムシはLeptotrombidium属が主で、アカツツガム(Leptotrombidium akamushi)、タテツツガムシ(L.scutellare)、およびフトゲツツガムシ(L.pallidum)の3種が感染を主なツツガムシになりますが〔Traub et al.1974〕、韓国(Euschoengastia属、Neotrombicula属)、日本(Schoengastia属)、インド(Schoengastiella属)では別の属による媒介が示唆されていますが、依然として議論の余地があります〔Santibáñez et al.2015、Tilak et al.2011〕。この病気は、以前はアジア太平洋地域のツツガムシトライアングルと呼ばれる特定の地域に限定されていると考えられていましたが、アラビア半島とチリ南部での最近の症例により、このパラダイムに疑問が生じています〔Balcells et al.2011、Weitzel et al.2016、Izzard et al.2010〕。チリではこれまでに18種のツツガムシが報告されており、そのほとんどは爬虫類に由来しています〔Stekolnikov et al.2015、Silva de la Fuente et al.2016、Espinoza-Carniglia et al.2016〕。 特に海洋性鳥類やコウモリおよび爬虫類寄生種のツツガムシには新種が多いです。爬虫類ではツツガムシによる吸着をされた皮膚炎または自己外傷が起こります 〔Arnold 1986、Bertrand et al.2004、Delfino et al.2011〕。Vatacarus属のツツガムシは、宿主の爬虫類の鼻腔だけでなく気管や肺にも寄生します〔林ら 2001〕。

トリパノソーマ

トリパノソーマは、トリパノソーマ(Trypanosoma)科に属する原虫で、基本的には昆虫を宿主としていますが、生活環の中で人や幅広い脊椎動物を吸血し、水中で生活する魚類・両生類・爬虫類を宿主とする種はヒルによって媒介され、一方陸上で生活する爬虫類・鳥類・哺乳類を宿主とする種は吸血性の節足動物によって媒介されます。アフリカ睡眠病シャーガス病などの人獣共通感染症を引き起こします。トリパノソーマは宿主や寄生部位に応じて形態を変え、異なる環境に適応しています。特に脊椎動物の血流中で錐鞭毛型になることはトリパノソーマ属の特徴で、また吸血動物の腸管では上鞭毛型になります。アフリカ睡眠病は、ツェツェバエが媒介するブルーストリパノソーマ (Trypanosoma brucei) によって引き起こされ、病状が進行すると睡眠周期が乱れ朦朧とした状態になり、さらには昏睡して死に至る疾患で、アフリカのサハラ砂漠以南で主に発生する風土病になります。シャーガス病はオオサシガメ亜科のサシガメが媒介するクルーズトリパノソーマ (Trypanosoma cruzi) によって引き起こされ、ヒト、イヌ、ネコ、サルなど150種以上の哺乳類に感染し、人獣共通感染症としてはシャーガス病が中南米において発生します。なお爬虫類においてもトリパノソーマが検出されており、トカゲ(Copeoglossum nigropunctatum)(Trypanosoma rudolphi)〔Carini et al.1912〕、マユトカゲ(Uranoscodon superciliosus)(Trypanosoma sp.)〔Walliker 1965〕、ミドリプリカ(Plica umbra)からのTrypanosoma plicae 〔Lainson et al.1975〕における報告があります。しかし、注目したいのはアフリカ睡眠病を引き起こすブルーストリパノソーマ、ケニアのオオトカゲから分離されたことです〔Njagu et al.1999〕。ちなみに、このオオトカゲは、ウガンダでツェツェバエの野生宿主であることが指摘され〔Waiswa et al.2003〕、爬虫類がトリパノソーマの潜在的な保有者になる可能性を示唆しています〔Woo et al.1969〕。

リューシュマニア


トリパノソーマ科のリーシュマニア(Leishmania)属の原虫による人獣共通感染症がリューシュマニア症で、サシチョウバエによって媒介されるため、その生息域である熱帯亜熱帯地域を中心として発生しています。リーシュマニア症は感染する原虫の亜種によって症状に大きく差があり、人では内臓型、膚型および粘膜皮膚型に分類されています。このリューシュマニア属の原虫は約50種が知られていますが、媒介者となるサシチョウバエ体内での寄生部位や分子系統解析の結果から、Leishmania亜属、Viannia亜属、Sauroleishmania亜属、Mundina亜属の4つに分類されています。サシチョウバエは、感染症を引き起こす原虫(プロマスティゴート)を注入し、プロマスティゴートはマクロファージに捕食され、プロマスティゴートは別の形態(アマスティゴート)になります〔Killick-Kendrick et al.1986〕。アマスティゴートの形態は、主に単球またはマクロファージなどのさまざまな血液細胞で観察されていますが、血小板や赤血球でも観察されています。Sauroleishmania亜属のリューシュマニアは約10種ほどに分類され〔Ovezmukhammedov 1991〕、爬虫類に感染することが有名で、主にアガマ科、ヤモリ科、イグアナ科、トカゲ科を中心に様々な爬虫類に寄生し、哺乳類に対して病原性がないと考えられたため、一時は別属に分けられていました〔Belova 1971,Wilson et al.1979〕。しかし、この亜属の一部が少なくとも一時的に哺乳類または哺乳類細胞に感染することが懸念され〔Adler 1962,Breton et al.2005、Taylor et al.2010、Novo et al.2015〕、これらの寄生虫のDNAが無症候性のげっ歯類〔Coughlan et al.2017〕、イヌの血液〔Mendoza-Roldan et al.2021〕、またはヒトの血液 〔Pombi et al.2020〕 で検出されました。したがって、現在ではリーシュマニア属の亜属として扱うことが多いです〔Ranque 1973、Saf’janova 1982、Killick-Kendrick et al.1984〕。Leishmania (Sauroleishmaniatarentolae は爬虫類を刺すSergentomyia属のサシチョウバエによって媒介され〔Killick-Kendrick et al.1986、Telford 2009、Maroli et al.1988〕、爬虫類は哺乳類のリューシュマニア症の潜在的宿主になり、一時的に哺乳類に感染する可能性も指摘されています。例えばトカゲ科から分離されたLeishmania (Sauroleishmania) adleriは、哺乳類に皮膚リーシュマニア症を引き起こす可能性があります〔Manson-Bahr et al.1961、Coughlan et al.2017〕。また、ヤモリのLeishmania (Sauroleishmania) tarentolaeは、ブラジルの人間のミイラ〔Novo et al.2015〕やイタリアで人間の血液〔Pombi et al.2020〕で分子的解析で検出されています。最近の研究では、中国北西部のトカゲやヘビで、 L.tropicaL.donovaniL. turanicaなどの人に病原性を示すリーシュマニアが検出されています〔Zhang et al.2019、Chen et al. 2019〕。以上のことを考慮すると、今後の研究では、リーシュマニア症やトリパノソーマ症の疫学において爬虫類が果たす役割に焦点を当てるべきです。

ウイルス

爬虫類と両生類は、ウイルス、主にアルボウイルスの保有宿主または越冬宿主として重要な役割を果たしている可能性があります。多くの種類の蚊が爬虫類を吸血する可能性がありますが、その中には医学的に重要なヒトスジシマカやネッタイシマカなども含まれます〔Bosco-Lauth et al.2018〕。さらに、爬虫類の多くが、様々なアルボウイルス※に対して血清学的に陽性であることが分かっています〔Steinman et al.2003〕。実際、多くの爬虫類は、西部および東部馬脳炎、ベネズエラ馬脳炎、ウエストナイルウイルス、そして最近ではチクングニアウイルスなど、他のアルボウイルスの保有生物であると考えられています〔Burton et al.1966,Bingham et al.2012,Bosco-Lauth et al.2018〕。イエカ(Culex tarsalis)がガータースネークなどの爬虫類を吸血し、冬の間西部馬脳炎のウイルスを維持し、その後他の宿主に感染する可能性があることです。つまり、ヘビは冬眠(越冬)中にウイルスを維持するのです。そして、クリミア・コンゴ出血熱(CCHF)の有能な媒介ベクターとしてHyalomma aegyptiumというダニの主要宿主として、陸ガメが懸念されています。この病気は、アフリカ、バルカン半島、中東、西アジアに分布する人獣共通感染症のブニヤウイルス科によって引き起こされKar et al.2020〕、主な伝播サイクルは、鳥類、哺乳類、および関連するHyalomma marginatumのダニによって媒介されていますが、リクガメはH. aegyptiumダニ媒介動物とともに、潜在的伝播サイクルで役割を果たしている可能性が指摘されています〔Široký et al.2014 ; Kar et al.2020〕。

※アルボウイルス(Arthropod-borne virusは、蚊やダニなどの節足動物を媒介として脊椎動物に感染するウイルスを指し、フラビウイルス科、トガウイルス科、ブニヤウイルス科、レオウイルス科など様々なウイルス科にアルボウイルスが存在します。

まとめ

爬虫類は国際的なペット市場で広く取引されていることを考慮すると、これらの病原体とその媒介動物の拡散を防ぐために輸入動物を監視することが極めて重要である

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この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。