モントカゲの脱皮不全対策

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レオパの脱皮上手くできてますか?

脱皮は皮膚の古い角質が剥がれ落ちることです。元の角質から新しい角質ができる時に、その間に休みがあるため、古い角質は浮いてはがれ落ちます。新陳代謝がよいと脱皮の頻度は短くなりますが、頻度の決まりはなく、環境や体調により、回数は変わります。ヒョウモントカゲモドキは体の各部位が所々にポロポロと脱皮する部位脱皮と呼ばれます。

ヒョウモントカゲモドキ脱皮

脱皮の頻度や間隔は、個体差があります。幼体では頻繁に脱皮し、若い個体であれば2週間に1回くらいの頻度で脱皮します。年をとると脱皮の回数が減ってきます。脱皮前には体が白色を帯びてきます。その後に皮が浮いてきて、自ら物に古い皮膚を引っ掻けてはがし、おおよそ2~3日もあれば完了するのが普通です。

ヒョウモントカゲモドキの脱皮

虫類の脱皮の詳細な解説はコチラ!

原因は?

脱皮不全の原因は、湿度不足、温度管理が不十分が大きく関与しています。脱皮の時にストレス等で、脱皮をするのを病めたり、古い鱗を引っ掻けるような物がないことも原因になります。

ヒョウモントカゲモドキの脱皮不全
ヒョウモントカゲモドキ脱皮

 

症状は?

約4日を過ぎても脱皮が終わっていない場合は脱皮不全の可能性があります。脱皮不全で死ぬことはまれですが、古い皮膚がはがれずに残ります。

特に指や尾に古い皮膚が残ると炎症がおき、指や尾が壊死することもあります。ヒョウモントカゲモドキは尾が壊死しても、自切して再生することもあります。

ヒョウモントカゲモドキ脱皮不全

トカゲの尾の病気と自切るの詳細はコチラ!

目の周りに残ると、結膜炎や角膜炎を起こしたり、目が開かなくなります。

ヒョウモントカゲモドキ脱皮

対策教えて~

脱皮不全の原因は、湿度不足、温度管理が不十分、ストレスが大きく関与しています。脱皮不全の予防はずばり、原因となる要因をなくすことです

  • 湿度を上げる&皮のひっかかり
  • 適温飼育で自分で脱皮させる
  • ストレスを与えない

湿度を上げる&皮のひっかかり

ケージ内の湿度が低く乾燥すると、上手く古い皮膚を脱ぐことができずに脱皮不全が起こります。生息地は、夜間のみは夜露により湿度が高くなるような環境で、常に乾燥しているわけではありません。湿度を上げる目的で水容器を設置し、保水性のあるシェルターあるいはシェルター内に湿らせた水ゴケなどを入れる、定期的に温浴、散水や霧吹きなどの策がとられています。湿度を保つためには、飲水用の水容器をケージ内におくだけでも多少は上がります。ちなみに脱皮前の湿度は70%位が理想ですが、乾燥した冬場は20~30%くらいなので、湿度を上げるのはとても難しいです。水容器の設置だけでは上がりませんので、以下の方法をいくつか組み合わせます。飲水の水容器を少し大きくして、ヒョウモントカゲモドキが自ら中に入れると、脱皮がうまくいくかもしれません。

ヒョウモントカゲモドキ

シェルター内に湿らせた水ゴケなどを入れて下さい。脱皮の皮が引っ掛かりやすくなります。

保水性のあるシェルターとはウェットシェルターのことです。上の窪みに水を張って、ケージ内の湿度を上げることができす。水を入れだけで、ウェットシェルター内の湿度も上げれることができます。また、素焼きで出来ているので、脱皮した皮膚がひっかかりやすく、脱皮が上手くできます。

おすすめシェルターはズバリこれ!

体が白色を帯びて脱皮が近づいたらヒョウモントカゲモドキに直接散水や霧吹きをしてください。ケージの加部にも水滴がつくほど行うとよいでしょう。ヒョウモントカゲモドキは地上で生活していて、ほとんど水に入ることはありませんが、夜露をなめて水分をとっています。十分な水分を確保するために温浴をさせて水を飲ませることも大切です。

ヒョウモントカゲモドキの飼育

適温飼育で自分で脱皮させる

ヒョウモントカゲモドキは寒さに弱く、温度が低くなると活動が低下します。その結果脱皮が始まっても、自ら古い皮膚を脱ごうとしません。温度管理もしっかり行い、特に気温がる冬は11月か常に温度管理に気を配って、パネルヒーターなどで保温をしましょう。頻繁に舌なめずりをし、目もなめて乾燥を防いだり、口周りに付着した水滴などを舐めとります。活動性が落ちると、目もなめれないので、目の周りに脱皮不全が起きやすいのです。

ヒョウ門トカゲモドキの舌

ストレスを与えない

脱皮の最中に、環境の変化などによる強いストレスを受けると、途中で脱皮を止めて、脱皮不全になることがあります。脱皮を控えているヒョウモントカゲモドキには、あまり構わずに、そっとしておいてください。病気や病弱で脱皮ができなくなることもあります。

おまけ(脱皮のお手伝い)

脱皮不全の対策をしていたのにも関わらず、万が一脱皮不全になってしまった場合は、飼い主が脱皮を手伝ってあげましょう。古い皮膚が残っていると自分で指先などを噛んではがそうとします。その時にかんで指先を傷つけてしまうことがあります。古い皮膚を無理やりに剥がすのではなく、浮いてきた白色の古い皮膚を綿棒なので少しずつ取り除いてあげます。

ヒョウモントカゲモドキ脱皮不全

ふやかしてから取り除いてあげると楽かもしれません。タッパーなどに30℃程度のぬるま湯を張って、ヒョウモントカゲモドキを入れてあげます。しばらくして古い皮膚がふやけたら、柔らかい綿棒などで脱皮不全箇所を軽くこすってあげます。一度に全部取り除くというよりも、ストレスのないように少しずつ行ってあげて下さい。目の周りの脱皮不全は、はがすのは大変なので、獣医師にやってもらいましょう。

脱皮促進スプレー

爬虫類の脱皮を促進する液体製品が販売され、それぞれ鱗にかけて使用します。

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液体スプレータイプ

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しつこい部分はアワでピンポイント!

アリオンシェッドは液体スプレータイプで、全身にスプレーをして使用し、脱皮不全のしつこい部分ピンポイントでアリオシェッドフォームと使い分けることができます。成分は還元水素イオン水・液体リンゴ酸・精製クエン酸・L-酒石酸・フェチン酸・L-アスコルビン酸ナトリウム・純加糖などで、還元水素イオン分子は真皮の奥まで浸透して分離を助け、真皮まで浸透する事で皮膚内部から新陳代謝を促進します。また、真皮からの新陳代謝向上により色揚げ効果もあります。真空特殊二重構造のボトルによるスプレーは、超微粒子ミストになり、浸透性が向上します。天然成分で化学薬品を一切使用せず、生体の眼を痛めず・舐めても安全ですので安心してご使用いただけます。1日〜2日おきに全体が濡れるくらい散布し、皮が白濁してきたら多めに散布します。

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脱皮始まったらかけて!

脱皮前の生体に直接スプレーを吹き付けてご使用します。アイキャップ遺残のヘビでは、直接スプレーしても、目に刺激をしません。成分は、オイル、可溶化ハイドロトロープ、グリセリン、ホホバオイル、ビタミンEアセテートを配合しています。ハイドロトロープは親水性を高める合成界面活性剤で、皮膚のバリアを壊して水を皮膚に入れる保湿作用があり、ホホバオイルも高い保湿力があり、皮膚の質を高める肌に良い成分が豊富に含まれています。 …

参考文献

ポイントはコレ!

・ヒョウモントカゲモドキは脱皮不全が起きやすい
・目の回り、指先、尾の先に皮が残りやすい
・残った古い皮は血行不全や炎症を起こす可能性がある
・湿度を上げで皮のひっかかりを作る
・適温飼育で自分で脱皮してもらう
・ストレスは脱皮できなくさせる
・それでもだめなら人が皮をむく

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。