ウサギの白内障

レンズが白くなる!

ウサギの黒目が白濁してきたら、一番に白内障が疑えます。白内障は水晶体、いわゆる目のレンズが白濁する病気で、人では老人でよく発生することで有名ですね。ウサギでもやはり高齢になると多くが白内障になってきますが、目を強く打つなどの損傷、糖尿病によって水晶体の中の成分が変化したりすることでも発生します。若いウサギでは生まれつきの白内障、エンセファリトゾーンと言う寄生虫のぶどう膜炎(虹彩膿瘍)の水晶体の癒着により二次的な発生でも起こります。

ウサギの目の仕組みを一度読んで勉強してみて!

ウサギのエンセファリトゾーンの解説はコチラ!

見えないと生活できなくなるの?

ウサギはもともと視力があまり良くなく、反対に聴覚や嗅覚が優れています。白内障での視力の低下が起きても、あまり生活に支障が見られませんので、飼い主も気づきずらいと思います。完全に白濁した場合には、物にぶつかりやすくなり、動きもゆっくりになりますが、ウサギにとって慣れた環境であれば問題なく生活ができますので、安心して下さい。

目は痛くないの?

白内障では基本的に炎症などは起こらずに、目ヤニや涙も見られませんが、進行すると変性した水晶体が脱臼したり、解けたりして、虹彩炎(ぶどう膜炎) や緑内障を併発すると目に痛みを伴うこともあります。

治療は?

一度白くなった水晶体はもとに戻すことができません。白内障を治すことはできませんが、進行を遅らせる目薬ならあります。根本的な治療としては、水晶体の白く濁った組織を吸引して除去する手術(超音波入荷吸引手術)などがありますが、できる病院は限られています。

目のトラブルの時の予防と緊急対応はコチラ!

白内障の進行を遅らせる目薬はコレ!

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この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。