ウサギの緑内障~ 急がないと失明する!

眼圧が上昇する病気!

緑内障は何らかの原因で眼球の圧力(眼圧)が高まるために、視神経が害されて、見えなくなる病気です。 ウサギの緑内障は、ぶどう膜炎(虹彩膿瘍)が原因で二次的に起こりますが、遺伝的に生まれつきの緑内障でも発生します〔Tesluk et al.1982・Hanna et al.1963〕。

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見た目はどんな感じになるの?

緑内障は眼圧が高くなって眼球が拡張し、目が大きく感じて見えます。眼球突出のように見えますが、眼球自身が変形して大きくなっています。

ウサギの緑内障

下の写真を見ると、片方の目が飛び出ているのが分かると思います。

眼圧の上昇と眼球拡張の結果、角膜が浮腫を起こして白濁したり、白目の血管の充血が起こり、目ヤニや涙も見られます。左右の目が同時になることもあれば、片目の場合もあります。

ウサギの緑内障

進行すると、目の痛みを生じ、食欲不振や動かなくなりますが、ウサギではまれです。

ウサギの緑内障

どうやって診断するの?

緑内障の診断は、動物病院で眼圧測定を行って診断されます。

ウサギの眼圧測定

治療は?

眼圧を下げる点眼薬を投与します。慢性的になることが多く、生涯点眼薬が必要になります。また、目が飛び出た状態なので角膜が乾燥しないように人工涙液で表面を保護する点眼薬も併用します。

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参考文献

■Hanna BL,Swain PB,Sheppard B.Recessive buphthalmos in the rabbit.Genetics47.519.1963
■Tesluk GC,Peiffer RL,Brown D.A clinical and pathological study of inherited glaucoma in New Zealand white rabbits.Lab Anim16.234-239.1982

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。