顔~頭部の脱羽
顔や頭だけの羽毛が抜け落ちます。体の羽毛が抜けるなら、ダニや栄養の問題、自分でつついて抜いてしまうことが考えられますが、顔や頭だけが抜ける特異的な症状になります。顔や頭を怪我した、腫瘍の原因も考えられますが、考えられる原因は主に以下の3つです。
- 甲状腺機能低下症
- 皮膚糸状菌
- 血流不足
甲状腺機能低下症
甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンが低下します。甲状腺ホルモンは代謝をつかさどり、特異的に顔や頭の羽が抜け落ちます。皮膚には麟屑や痂疲などはあまり見られません。甲状腺ホルモンが分泌されずに、甲状腺細胞が代償的に肥大もしますので、呼吸の異常も見られます(甲状腺腫)。
皮膚糸状菌症
真菌による感染症で、顔や嘴の羽が抜けて、皮膚や嘴に黄色の痂疲が見られることが特徴です。重篤になると二次感染により、皮膚炎が起こります。
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血流不足
頭部皮膚の血流障害が発生要因として強く疑われています。血流不足の原因は、メスの発情、肝疾患、甲状腺機能低下症、肥満、過食、運動不足などによる高脂血症です。また脱水でも血流が不足し、ストレスにより交感神経が興奮して血管が細くなります。
検査
甲状腺機能低下症は皮疹以外にも甲状腺腫による呼吸の異常が起こります。皮膚糸状菌症は痂疲や羽から真菌培養を行って診断します。血流不足は上記の発生要因を除外して暫定的に診断します。
治療
甲状腺機能低下症では、食餌療法ならびにヨウ素や甲状腺ホルモン剤を投与します。皮膚糸状菌症は抗真菌剤を投与します。真菌症では同居しているブンチョウにも感染する恐れがあります。ストレスの有無はケージの大きさなどを広くしたり、フォージングに工夫をするなどの対策を練って下さい。