1~2歳以上〔Keller et al. 1987〕、もしくは、1歳3ヵ月以上〔Pilny 2014〕のモルモットに好発するという報告があります。
症状
嚢胞のサイズはばらつきがあり、年齢とともにサイズが大きくなり、直径が 7cmにも及ぶこともあります。多くの場合片側よりも両方の卵巣が罹患する。これらは嚢胞のタイプで発生年齢や嚢胞サイズに相違があるのかは分かっていません。実験動物ではエストロゲンを投与して卵巣嚢腫のモデルがつくられており〔Silva et al.2003〕、その結果、発情期に発生率が高くなり、発情休止期には低くなる〔石ら2002〕という報告がありますがが、これは卵胞嚢腫と思われます。
卵巣嚢腫は基本的に無症状であるので、偶発的に見つかることも多いです。両側の卵巣に発生して、嚢腫が大きくなると腹部膨満が目立ちます。3つの嚢胞のタイプの中で、卵胞嚢腫瘍は、排卵に失敗した排卵前の卵胞に由来し、正常な卵巣周期を変化させます。このために機能性の卵胞嚢腫とされ、不妊はもちろんのこと、性ホルモンの異常を起こし、内分泌性脱毛もみられ、沈鬱を示すこともあります。特に子宮疾患を併発する症例も多いです〔Keller et al.1987〕。卵巣網嚢腫や卵巣傍嚢腫は非機能性です。卵巣網嚢腫は卵巣周期とは無関係で発達し、モルモットの卵巣嚢腫の中で最も多発するとも言われていますが〔Shi et al.2002〕、卵胞嚢腫と併発することもあります〔石ら 2002〕。無症状で脱毛なども起こらない時は、卵巣網嚢腫や卵巣傍嚢腫なのかもしれません。大きく発育した卵巣嚢腫は腹腔内の触診において軟性の腫瘤性病変として触知されます。非ホルモン性である卵巣網嚢腫は脱毛がみられませんが、卵胞嚢腫と卵巣網嚢腫が併発している症例が多く、脱毛の有無のみで鑑別することは難しいです。
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