【緊急】フェレットの脱肛(痛そう~)

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お尻から赤いものが・・・

肛門から赤色をした粘膜や直腸下端の一部が脱出すること脱肛と言います。正常でも排便時の力みで、一時的な脱出がしばしば見られます。

フェレット脱肛

排便後に自然に戻ればよいのpですが、 脱出は習慣となり、元に戻らない状態になったものを、病気としての脱肛と定義しています。

フェレット脱肛

原因

下痢などの力みを伴うことが最も多く、通常は若いフェレットの病気です。幼体のフェレットに脱肛が多い理由に、ふやかしたフードを成長するにしたがって固形フードへ切り替えるの時に一時的に軟便になりやすいことがあげられます。他にも幼体は腸内細菌が安定しておらず、下痢を起こしやすいです。その他にもコクシジウム症、増殖性腸疾患、大腸炎などが上げられます。 若いフェレットの中には、肛門嚢摘出術の不適切な手法の後に直腸粘膜の突出が起こるものもあります。前立腺疾患による緊張、尿の流出障害、または腸骨下リンパ節の肥大(リンパ腫など)により、直腸突出が起こることがあります。肛門嚢の閉塞や膿瘍は、外科的に肛門嚢を摘出したフェレットではまれですが、肛門嚢を摘出していないフェレットでは見られることがあり、肛門嚢アポクリン腺癌の報告があります〔Nakata et al.2008〕。膀胱結石尿道閉塞で尿が出にくい時も腹圧がかかり、一時的な脱肛が起こります。

脱肛時の応急対応

軽い脱肛であるならば、自然と治ることもあります。軽いものは軟膏を塗ってあげると元に戻りますが、それだけで治ることは稀です。塗った軟膏をなめないようにするのも難しいです。

応急時に塗っておく軟膏はコレ

ボラギノールA軟膏

局所麻酔薬もステロイドも配合されています

逸脱した粘膜にブドウ糖シロップを塗って(浸透圧の差で腫張した粘膜がしぼむ作用がある)、指や綿棒で押し込む方法が良いといわれていますが、たいていはフェレットが痛がってできません。ひどく脱出した粘膜だど、肛門に締めつけられてさらに悪化します。このような時には動物病院で治療を早急に治療を受けて下さい。

フェレットの脱肛

治療

脱肛するとフェレットは痛いです。軽度だと軟膏などを塗って、粘膜の炎症を抑えるようにすると治ることもあります。しかし、薬を塗ってもフェレットがなめてしまうために、塗り薬での治療は長期化することが多いようです。便が硬くならないようにふやかしたフードを与えるなどして、フェレットがりきむ原因も減らすようにして下さい。肛門粘膜がひどく出てしまっている場合には、粘膜を中に入れて肛門を巾着縫合を、全身麻酔下で行います。1~3週間後に抜歯をします。

まとめ

脱肛も早く発見できれば、それだけフェレットへの負担を少なく治療を行うことができます。例え元に戻っても、一度動物病院で受診して、再発しないように獣医師に相談して下さい。

参考文献

  • Nakata M,Miwa Y,Nakayama H.et al.Localised radiotherapy for a ferret with possible anal sac apocrine adenocarcinoma.J Small Anim Pract49(9):476‐478.2008

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。