フェレットのジステンパー~死亡率100%?

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ジステンパーはウイルス

ジステンパーとは人間の麻疹(はしか)に近いウイルスの感染症です。犬に感染することで有名ですが、そのほかにもアライグマ、キツネなどにも感染し、二ホンオオカミが絶滅した原因にもなっています。

原因は?

ジステンパーウイルスは感染したくしゃみや鼻水などの分泌物により感染します。唾液、糞や尿などの体液などの接触で感染する場合と、鼻水やくしゃみなどで空気感染する場合があります。空気感染をするので、接触がなくても同じ部屋にいるだけでも感染します。

症状は?

ジステンパーウイルスによる症状は、皮膚病、食欲不振、鼻汁、下痢や嘔吐、気管支炎や肺炎、神経症状などです。しかし、フェレットでは皮膚病のみが最初にみられることが多く、鼻や口周りの皮膚炎が特徴です。

フェレットジステンパー

皮膚病は肉球なども硬くなるような症状も見られます。末期ではウイルスが神経系に達して、痙攣発作などの神経症状を示して死亡します。死亡率は非常に高いです。

診断はどうするの?

血液検査あるいは体液からの遺伝子(PCR)検査で診断ができます。

治療・予防は?

ウイルスを直接死滅させる治療はありませんので、ワクチンで予防接種をするしかありません。しかし、フェレットに対するジステンパーのワクチンには問題が多く、以下のページをしっかりと読んでください。

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この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。