フェレットのフィラリア~心臓の寄生虫!

目次 [非表示]

心臓の寄生虫!

フィラリア症は犬で有名な病気で、蚊に刺されて心臓に寄生する虫によるものです。白くて細長いそうめんのような虫で、フェレットにまれにかかります。

なぜなるの?

フィラリアをフェレットにうつすのは蚊です。蚊がフィラリアに感染した犬やフェレットの血液を吸血することで、蚊の体内にはミクロフィラリアと呼ばれるフィラリアの幼虫が入ります。その蚊がフェレットを刺して吸血する際に、フェレットの体にミクロフィラリアが入り込みます。ミクロフィラリアは次第に大きくなって成虫に育ち、心臓や肺動脈に到達します。

蚊

どんな症状?

一般的に寄生数が少ない場合や初期では、ほとんど無症状です。進行すると以下のような症状が見られます。

  • 慢性的な咳
  • 動かなくなる
  • 寝ている時間が増える
  • 腹水

病気が進行してくると、最初にみられるのは咳です。さらに元気がなくなり、運動もしたがらなくなります。

心臓や肺の血管にダメージがみられて心臓病になり、肝臓や腎臓も悪くなり、急激に痩せて腹水もたまります。重度の寄生の場合、フィラリアの成虫が心臓の弁にからまり死亡する場合があります。

検査はどうするの?

犬では血液中のミクロフィラリアを確認したり(ミクロフィラリア検査)、成虫が排泄したタンパク(抗原)を確認する検査(抗原抗体検査)が行われます。しかし、フェレットは犬と異なり体が小さいので、心臓に寄生する成虫も2~3匹で、ミクロフィラリアが検出されなかったり、抗原が少ないので、例え検査で陰性でも必ずしもフィラリアにかかっていないとはいえないのです。なお、陽性とでたら完全に感染していると言えます・・・

治療や予防は?

フィラリアの予防は、蚊の発生する時期に合わせて薬を与えます。蚊が飛び始めてから、いなくなった1ヵ月後までの間、月に1回の内服薬を与えます。蚊の発生は地域にもよりますが、3~4月から11月~12月くらいまでの約8ヵ月間継続しないといけません。もしミクロフィラリアがフェレットの体内にいた場合に予防薬を飲ませると、ミクロフィラリアは死滅しますが、死体のアレルギー反応が起こり、フェレットの状態が崩れますので、予防期間はしっかりと投与して下さい。治療は難しく、虫を殺す薬を投与しますが、心臓の病気は残ることもあります。

フィラリア予防の詳細はコチラ!

フェレットの蚊の対策のために!

電子蚊避けくらいは部屋に設置して!

フェレットの病気の本ならコレ!

解剖や生理そして病気のことが分かりやすくまとまって書いてる本!

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。