【病気】フェレットの泌尿器疾患(尿道閉塞の対応)

フェレットでは泌尿器疾患は比較的よく見られ、従来の小動物医学と同様に診断されていますが、フェレットの特殊性がいくつかあります。

泌尿器解剖

フェレットの1対の腎臓は犬猫と同様に豆状をしており、後腹膜腔に位置し、その背側は腰下筋と直接接触しています〔Evans 2014〕。それぞれ尿管が尿を腎杯から洋梨状の膀胱に流出しています。

腎臓疾患/腎不全

高齢個体では様々な程度の慢性間質性腎炎が一般的に発生します〔Kawasaki 1994〕。進行した間質性腎炎は、腎盂腎炎、糸球体腎炎、免疫複合体介在性糸球体腎症と同様に、腎不全を引き起こす可能性があります〔Palley et al.1992〕。腎臓腫瘍の発生は稀です〔Bell et al.1990〕。慢性腎不全はネフローゼ症候群を引き起こすことがあり、その場合、タンパク尿と低アルブミン血症により末梢浮腫、腹水、またはその両方が発生します。

原因

フェレットの急性腎不全の一般的な原因は、腎後性および腎性になります。腎後性は、尿管狭窄、前立腺肥大、尿路結石による排尿障害が原因になります。腎性は感染症や毒素、アミノグリコシド系抗生物質などの薬剤への曝露により、腎実質が急性に破壊されることで起こります。フェレットは身体が小さく、好奇心旺盛な習性があるため、放し飼いでは毒素への曝露は注意しないといけません〔Dunayer 2008〕。

症状

症状は食欲不振、体重減少、活動性の低下などの非特異的なものです。これは高齢個体で生理的にみられる体重減少や無気力と類似するため、飼い主は異常の発見に遅れます。尿毒症になると、胃炎・胃潰瘍により黒色便(メレナ)や嘔吐が見られ、腹水や浮腫まで起こります。多飲多尿は慢性腎不全で見られることがありますが、急性腎不全では通常、乏尿または無尿を特徴とします。

検査

血液検査

血清生化学検査の異常所見は、通血中尿素窒素 (BUN) およびクレアチニン値の上昇で、高リン血症、高カリウム血症、または低カリウム血症、総二酸化炭素値の低下が起こる場合もあります。ただし、胃潰瘍ではBUN値を上昇させる可能性があるため、高窒素血症の解釈には注意が必要です。フェレットのクレアチニン値 (0.2~0.8mg/dL) は犬や猫の基準値よりも低く〔Hein et al.2012〕、腎不全に伴うクレアチニン値の上昇は、一般的に1.5 mg/dL未満と中程度に感じます。病理組織学的検査で重度の腎疾患が確認された2頭のフェレットでは、クレアチニン値はそれぞれ1.1 mg/dLであるのに対し、BUN値はそれぞれ140mg/dLと320mg/dLでした〔Kawasaki 1994〕。

尿検査

尿比重の低下は、腎不全によるタンパク尿と腎臓の尿濃縮能力の低下を示唆します。健常体の尿比重は、オスでは1.051(1.034~1.070)、メスでは1.042(1.026~1.060)と、メスの方が低いという報告があります〔Eshar et al.2012〕。糸球体濾過を評価するために、フェレットもイヌリンクリアランスが評価され、若い個体 (3.65 mL/分/kg) の方が老齢個体 (2.29 mL/分/kg) よりも有意に高い報告があります〔Esteves et al.1994〕。なお、フェレットでは尿タンパク/クレアチン比(UP/C)の基準値は確立されていません〔Price et al.2005〕。小動物の腎機能の新しいマーカーである対称ジメチルアルギニン (SDMA) がフェレットの腎疾患の早期診断のためのツールとなる可能性があり、健常体と腎疾患個体での測定したところ、健常体は1.2~18.8μg/dL、腎疾患では15.2~80.8 μg/dLでした〔Montesinos et al.2017〕。

超音波検査

腎疾患のあるフェレットでも、異常所見として皮髄不明瞭がみられ、その他実質の局所的および多巣性の変化、腎盂拡張、水腎症などが検出されることがあります。最終的には、慢性腎疾患が腎萎縮につながります。

治療

治療は根本的な原因を対象とすべきですが、腎不全の非特異的療法には、輸液療法、ビタミンおよび鉄の補給、栄養補給などの支持療法が含まれます。追加療法には、餌のリン制限、リン吸着剤、降圧薬、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、貧血の場合のエリスロポエチンなどがあります。臨床的に適応がある場合は抗生物質を開始し、培養および感受性試験の結果が利用可能な場合はそれを使用します。腎毒性の可能性がある薬剤は中止し、必要に応じて利尿薬を投与します。犬や猫で使用されている腎臓処方食は、ほとんどのフェレットが嗜好的の好まないため、使用は困難です。さらに、フェレットにおける長期のタンパク質制限の影響については研究が必要です。腎不全のフェレットの予後は、原疾患の原因と重症度、および治療に対する反応によって異なります。

腎嚢胞

様々な大きさの腎嚢胞はフェレットでよく見られます 。腎嚢胞の発生率は比較的高く、 32~63% に及んでいます〔Gorgas et al.2004,Jackson et al.2008,Reese et al.2004,Riechert 2005〕。

嚢胞は通常1つだけ、または少数存在し、ほとんどの場合、片側ですが、両方の腎臓に存在することもあります〔Reese et al.2004〕。

フェレットの腎嚢胞は先天性と考えらえていますが、詳細は不明です〔Jackson et al.2008〕。フェレットの腎嚢胞は珍しいものではないので、超音波検査やCT検査で偶発的に見つかることが多大半です。

しかしながら、広範囲あるいは巨大な腎嚢胞は腎臓実質の破壊を伴うため、腎不全につながる可能性があります。

臨床的に影響を受けたフェレットの腎機能を評価するには、静脈性尿路造影X線やCT検査で尿の生成機能を確認します。

腎嚢胞に対する特別な治療法はありませんが、超音波ガイド下穿刺は緩和治療として行われますが、液体は急速に再蓄積します。犬と猫での腎嚢胞は排液後にエタノールを注入することで化学療法で除去されていますが〔Zatelli et al.2007〕、フェレットでは行った報告はありません。したがって、定期的な超音波検査、生化学検査(腎臓パネル)、尿検査で監視することになります。人間の場合、単純嚢胞は通常臨床的に無症状ですが、時折出血して急性の痛みを引き起こすことがあります〔Bisceglia et al.2006〕。

腎盂腎炎

腎盂腎炎はフェレットでは稀で、リンパ腫の治療中に、末期の慢性腎不全に進行する重度の化膿性腎盂腎炎〔Rosenbaum et al.1996〕、長期のコルチコステロイド投与による免疫抑制が膀胱炎と二次性腎盂腎炎を引き起こした報告などがありますがRosenbaum et al.1996、通常は尿路の細菌感染です。症状は食欲不振、発熱、腎臓の痛みになります。腎盂腎炎を下部尿路疾患と区別するために、尿検査と腹部超音波検査を実施し、腎盂穿刺を検討する必要がありますが、侵襲が高いため、腎盂腎炎の場合、尿検査では血尿、膿尿、尿細管細胞、細胞円柱がみられることが予想されることから、暫定的な診断になることが多いです。支持療法を行い、尿培養と感受性試験の結果に基づいて 3 ~ 6 週間抗生物質を投与します。

腎石灰化症

ペットのフェレットの40~58%に超音波検査において腎髄質の高エコーが所見が見られた報告があり〔Reese et al.2004,Riechert 2005〕、この所見は、実験室のフェレットでは確認されませんでした。病理組織学的検査では、腎石灰化と一致する腎尿細管のカルシウム沈着が明らかになりました。さらに腎実質内の結晶構造は、尿酸塩であると考えられました。推定ですが、腎石灰化症は餌のカルシウムとリンの過剰摂取に関連していることが示唆されました〔Riechert 2005〕。

腎腫瘍

フェレットでは腎腫瘍はまれですが、リンパ腫が最も多く、次いで腎臓癌になります〔Li et al.1998〕。

水腎症

フェレットの水腎症および水尿管症は、尿管閉塞、腎盂の腫瘍形成、膀胱炎、膀胱ヘルニア、卵巣子宮摘出術中の尿管結紮の結果として発症することがあります〔Bell et al.1990,DI Girolamo et al.2016,Nelson 1984〕。X線検査ではX線不透過性の腹部中央の腫瘤として現れます。腎臓の正常な長さは、第2腰椎の長径に対する比率で表され、右腎では2.21~2.31椎骨、左腎では 2.15~2.2 椎骨が正常になります〔Eshar 2013〕。

超音波検査では腎盂が拡張していることで判断できます。

原因を区別するために、血管造影による尿路の確認が必要になることがあります。水腎症の治療は、病気の原因と重症度によって異なります。早期に診断されれば、閉塞を解消すれば治癒します。診断が遅れた場合、残った腎臓の機能が正常であれば、片側腎摘出術で良好な予後が得られます。

尿管疾患

尿管疾患は他の動物と同様にフェレットでもかなり稀です。横隔膜ヘルニアを引き起こすほどの鈍的外傷を受けたフェレットで、尿管の外傷性破裂の報告があり、尿管漏出を検出するために静脈性尿路造影検査が使用され、治療には尿管腎摘出術が含まれた〔Weisse et al.2002〕。その他、尿管狭窄や水尿管の報告もわずかに報告がありました〔Di Girolamo et al.2016〕。

尿路結石

これまでフェレットの尿路結石の成分は、主にリン酸マグネシウムアンモニウム(ストロバイト)で、発生には食事要因が重要な役割を果たしていると考えられ、バランスのとれたペレットでなく質の悪い餌が原因になります。膀胱結石および尿道結石が発生し、特に陰茎が長く、細長い尿道に閉塞を起こすことが問題となっています。

【病気】フェレットの尿路結石(ストロバイト?シスチン?)の解説はコチラ

尿道閉塞

尿道閉塞は、オスのフェレットの緊急治療の重要な理由です。米国では、尿道閉塞は副腎関連前立腺疾患、またはまれに尿路結石症によって最も頻繁に発生します。腫瘍形成および医原性外傷も考えられます。症状には、排尿困難、頻尿、尿滴下、包皮の頻繁な舐め、血尿、無尿などがあります。尿道が完全に閉塞したフェレットは、排尿しようとすると激しくいきんだり泣いたりすることがあります。いきむ動作が便秘と誤解されることがあります。しぶり腹が下痢を引き起こす場合もあります。身体検査では、膀胱が膨張し、痛みを伴います。代謝的な弊害が起こり、生化学検査で、³高窒素血症、高カリウム血症、高リン血症、代謝性アシドーシスが含まれる場合があります。腹部超音波検査とレントゲン検査は、尿路、前立腺、副腎(および腹部のその他の臓器)を評価できる貴重な診断ツールです。陰茎の骨に詰まった結石は検出が難しい場合があります。造影レントゲン検査は尿道結石の特定に役立つ場合があります。

尿道カテーテルの挿入

フェレットは身体が小さく、オスは陰茎口がJ字型をしており、尿道カテーテルの挿入自体も容易ではありません。尿道カテーテルの挿入には、骨格筋を十分に弛緩させるために全身麻酔が必要となります。特に尿道閉塞を起こしたフェレットは麻酔の注意深い監視が必要で、高カリウム血症には注意して下さい。オスのフェレットの尿道に適したカテーテルは3.0 Frのオープンエンドのシリコン製カテーテルになります〔Lennox et al.2008〕。このカテーテルはサイズと柔軟性が理想的で、柔軟性が低くて硬いと尿道穿孔を引き起こしやすくなります。時には24Gの留置針外套などを使用して陰茎の腹面の小さなスリット状の尿道口を特定して拡張させてから、カテーテルを挿入することもあります。尿道カテーテルを通すときに抵抗に遭遇した場合は、カテーテルを進める際に滅菌生理食塩水を使用してカテーテルをフラッシュする必要があります。それでも抵抗に遭遇する場合は、圧力が大きすぎると尿道が裂けたり破裂したりすることがあるため、慎重に進めないといけません。

カテーテルが挿入されたら、膀胱を滅菌生理食塩水で洗い流します。多量の血尿(凝血形成)または膿尿が存在することもあり、尿道カテーテルからの流出を妨げる可能性があります。尿道カテーテルを、テープとボディラップでフェレットに固定します。カテーテル挿入時には、フェレットにエリザベスカラーを装着することが推奨されます。

尿道カテーテルの挿入に失敗した場合、膀胱穿刺により尿を一度抜き取り、圧力を下げて尿道カテーテルを通過させることができます。膀胱穿刺を繰り返すと膀胱破裂や尿腹症のリスクがあるため、推奨されません。尿道カテーテルの正常通過が成功しない場合は、緊急膀胱切開術またはチューブ膀胱瘻造設術〔Nolte et al.2003〕を検討する必要があります。尿道破裂の場合は、緊急会陰尿道瘻造設術が必要であり、場合によっては前立腺の「造袋術」が必要になることもあります〔Orcutt 2001〕。

膀胱炎

フェレットでは、自然発生的な細菌性膀胱炎はまれです。膀胱炎が確認された場合は、副腎関連前立腺肥大症や尿路結石などの基礎疾患が潜在していることが大半です。併発疾患(インスリノーマ、リンパ腫など)に対する長期のコルチコステロイドの使用は、尿路感染症の原因となる可能性があります。シクロホスファミド化学療法の副作用として、薬剤の代謝物によって引き起こされる出血性膀胱炎が考えられます。膀胱炎の初期は無症状の場合もありますが、治療の時点では、ほとんどのフェレットで頻尿、排尿困難、血尿、会陰部の尿の汚れが見られます。検査は、尿検査、尿の細菌培養、ならびに感受性試験のために、できれば膀胱穿刺により尿サンプルを採取します。尿検査では、血尿、膿尿、細菌尿、尿細管円柱が明らかになることがあります。原発性膀胱炎はまれであるため、感染の根本原因を特定するためにX線検査およびCT検査を検討します。治療は抗生物質の投与を行い、必要に応じて水分補給と支持療法を行います。なお、フェレットにおいての膀胱の移行上皮癌の発生は稀です〔Williams et al.2003〕。

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尿道周囲嚢胞または尿道周囲疾患

尿道傍嚢胞は、成体の雌雄両方のフェレットに稀に発生します。43嚢胞は単一または複数で、様々な大きさがあり、嚢胞と膀胱、尿道、またはその両方との間の交通はさまざまです。尿道傍嚢胞は、膀胱三角部の背側と近位尿道に最もよく見られます。臨床症状には、排尿困難、血尿、脱毛症、および雌の外陰部の腫れが含まれます。身体検査では、嚢胞は膀胱の尾背側に波動性腫瘤として触知できる場合があります。尿道傍嚢胞のあるフェレット 6 匹 (雄 4 匹、雌 2 匹) の研究では、5 匹のフェレットで副腎過形成または腫瘍形成が検出され、6 匹目の動物では副腎が評価されませんでした。43初期治療では、尿道閉塞の緩和、水分補給、二次的な細菌感染の治療が行われます。根治的治療は外科的治療です。

43.Li X., Fox J.G., Erdman S.E., et al. Cystic urogenital anomalies in ferrets (Mustela putorius furo) Vet Pathol. 1996;33:150–158. 

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。