発生・原因
コロナウイルスは、ニドウイルス目コロナウイルス科のコロナウイルス属に分類されます。 配列相同性に基づき、3つのグループに細分化され、グループ1コロナウイルスには、豚の伝染性胃腸炎ウイルス、ネココロナウイルス(Feline coronavirus:FCoV)、イヌコロナウイルスなど、家畜の腸管疾患の重要な原因がいくつか含まれています。フェレットにはフェレット腸コロナウイルス(FRECV)とフェレット全身性コロナウイルス()という2種類が知られており〔Murray et al.2010〕、どちらも1コロナウイルスとして特定されました〔Garner et al.2008,Williams et al.2000〕。日本で検査した79頭のフェレットのうち44頭(55.7%)に腸コロナと全身性コロナウイルスが検出され、日本でもかなり蔓延していると思われます〔Terada et al.2014〕。
フェレット腸コロナウイルス(Ferret enteric coronavirus (FRECV)
腸コロナウイルスの感染により、明るい緑色の下痢が起こり、昔からグリーンウイルスとも呼ばれ、流行性カタル性腸炎またはECE(Epizootic Catarrhal Enteritis:動物間粘液性腸炎)とも呼ばれています〔Wise et al.2006〕。動物間流行性(Epizootic)という用語は、施設中の全動物に急速に伝染して行くことを意味し、カタル性(Catarrha)は粘液を意味します。フェレット腸コロナウイルスは、流行性カタル性腸炎 (ECE) の原因となり、当初「グリーンスライム病(Green slime disese)」、「グリーン下痢(Green diarrhea)」と呼ばれていたフェレットの非常に伝染性の高い下痢性疾患です〔Williams et al.2000,Wise et al.2006〕。非常に感染力が強く(100%近く)、同居のフェレットに容易にうつります。1~2日と短い潜伏期間で、感染力が強いだけでなく発病率も高いです。しかし、適切な治療を施せば死亡率は低いとされています(5%以下)。下痢は数日で落ち着くこともありますが、長く続くことが多いです。なお、併発疾患、特に胃のヘリコバクター感染症を患っている高齢動物は、嘔吐も併発し、重篤な疾患に罹るリスクがあります〔Wege et al.1982,Williams et al.2000〕。しかし、若いフェレットは一般的に軽度で、しばしば無症状の症状を呈しています。以前の感染によって生成された免疫と母親からの抗体産生の伝授により、軽症に終わることが多いともされています。ECEに罹患したフェレットの腸管の肉眼的検査では、小腸粘膜は充血しており、腸壁は薄くなり、絨毛の萎縮を伴ったびまん性リンパ球性腸炎が含まれます〔Wise et al.2006〕。FRECVによる感染の後遺症として炎症性腸疾患を発症する可能性も指摘されています。無症状のままキャリアになるフェレットでは、新しい環境や新しい同居個体とのストレスなどにさらされると発病します(お迎え症候群)。特に生後3ヵ月未満の幼体は糞にウイルスが排泄し、同居や接触したフェレットに媒介しやすいと言われています〔Wege et al.1982,Williams et al.2000〕。このコロナウイルスは、豚流行性下痢ウイルスやヒトコロナウイルス229Eよりも、ネココロナウイルス(FCoV)、豚伝染性胃腸炎ウイルス、イヌコロナウイルスに類似しています〔Garner et al.2008〕。
【病気】フェレットのお迎え症候群(コロナウイルスとヘリコバクター感染症)の解説はコチラ
診断
腸コロナウイルスは糞便のPCR検査で検査を行います。
治療
抗ウイルス薬はありませんので抗ウイルス薬はありませんので、罹患した個体には、輸液や抗生物質投与などの支持療法で治療し、無症状または感染していないフェレットから隔離しなければなりません。ECE から回復した後、一部の成体のフェレットは、黄褐色の種子のような下痢を伴う持続性で断続的な吸収不良症候群が残ります。
フェレット全身性コロナウイルス(Ferret systemic coronavirus:FRSCV)
若い個体に好発する進行性全身性化膿性膿性肉芽腫を起こし、この疾患は猫伝染性腹膜炎(Feline infectious peritonitis:FIP) のドライタイプに類似しています〔Garner et al.2008,Murray et al.2010,Autieri et al.2015〕。FIPは、FCoVの毒性変異体によって引き起こされる猫の致命的な多臓器免疫介在性疾患で、FIPウイルスは、低病原性から非病原性のネコ腸コロナウイルス株から自然発生すると考えられています〔Lescano et al.2015〕。部分的な配列解析により、FRSCVはFCoVを含む他のグループ1コロナウイルスよりもFRECVに類似していることが示され〔Garne et al.2008,Williams et al.2000〕、FRECVの一部は、突然変異を起こし、病原性が強いFRSCVに変異すること考えられています。
FSCVの発症平均年齢は2~36ヵ月齢(平均11ヵ月齢)で、リンパ節や肝臓、脾臓などに肉芽腫を形成します。症状は非特異的で最も一般的な症状は、体重減少、活動性の低下、食欲不振、嘔吐、脱水、下痢、呼吸困難、触知可能な腹部腫瘤です〔Lescano et al.2015,Lindemann et al.2016,Michimae et al.2010,Shigemoto et al.2014,Tarbert et al.2020,Wills et al.2018〕、発作や運動失調などの神経学的症状も報告されています〔Gnirs et al.2016〕。臨床的には、貧血と血小板減少症がこの疾患の主な特徴で、FIPで見られるように、アルブミン値が低くグロブリン値が高い顕著な高タンパク血症を伴います〔Gnirs et al.2016,Shigemoto et al.2014〕。 病理組織学的には、主に腸間膜、リンパ節、脾臓、腎臓に肉芽腫が形成されるのが特徴で、猫のFIPのドライタイプに類似しています〔Pedersen 2009,Haake et al.2020〕が、少数の症例では胸水や腹水も報告されています〔Graham et al.2012〕。
FIPは通常急速に進行しますが〔Fischer et al.2011,Ritz et al.2007〕、報告されたFRSCvの症例では、より遅い進行の可能性があることが示されています〔Autieri et al.2015,Wills et al.2018〕。しかしながらFSCVは進行性で死亡率も高く、臨床的疾患の持続期間は平均67 日という報告もあり〔Garner et al.2008〕、予後不良で免疫抑制療法と支持療法により延命するのみで、安楽死を選択せざろう得ないこともあります〔Wills et al.2018〕。しかしながら、稀ですが診断後 1 年間良好な生活の質を維持することができた例もいます〔Murray et al.2010,Autieri et al.2015,Michael et al.2015〕。
診断
全身性コロナウイルスは腫瘍や患部の組織のPCR検査で診断されます。
治療
コルチコステロイドと抗生物質による支持療法により、フェレットの寿命が数か月延びることが示されていますが、最終的には病気が進行し、死は避けられませんでした。その他、インターフェロン、プロペントフィリン、ポリプレニル免疫刺激剤などのような数多くの治療が試されましたが、ほとんどの研究が結果が良くものでありませんでした。最近の研究では、フェレットをSARS-CoV-2感染モデルとして使用し、ウイルスに対する2つの抗ウイルス薬、ヌクレオシド類似体GS-441524とEIDD-2801の有効性を実証されています〔Cox et al.2021a,Cox et al.2021b〕。さらに、FCoVに対してin vitroおよび猫のin vivoで試験されたプロテアーゼ阻害剤のグループ(例:GC376)は、in vitroでフェレット全身コロナウイルスに対して有効であることが示されており、この疾患の治療に有望なデータを示しています〔Perera et al.2018〕。ヌクレオシド類似体GS-441524は、現在、FIPに罹患した猫の治療に高い成功率で有効であることが示されています〔Jones et al.2021,Cosaro et al.2023,Pedersen et al.2019,Yin et al.2021〕。FSCDとFIPの症状と臨床所見の類似性により、GS-441524はFSCVに罹患したフェレットの治療に使用され、GS-441524のモノホスホロアミダートプロドラッグであるレムデシビルの注射と経口GS-441524で治療に成功したフェレット3例の報告があります〔Puffal et al.2024〕。3頭のフェレットは、FIPの治療を受けた猫の論文で説明されているものと同様の、レムデシビルの注射を最初に投与され、その後に経口GS-441524カプセルを使用しました。フェレットは、12~17週間、1日2回、12~20mg/kgのGS-441524を経口投与され、3頭全てが治療に顕著な反応を示し、臨床徴候が急速に改善し 、血液生化学検査とCBCも改善しました。GS-441524 療法による治療に対する即時の反応は、 FIPに罹患した猫と同じように〔Jones et al.2021〕、フェレットも好成績でした。猫のFIPの治療と同じく約12週間の治療後〔Pedersen et ai.2019〕、フェレットは寛解に近い状態に治癒しました。
1症例目は12 mg/kgの皮下注射による治療が2日間行われ、その後12時間毎に12 mg/kg GS-441524経口薬に変更されました。ステロイドは中止し、約10日間の治療後、フェレットの状態は回復し、腹部の腫瘤は触知できなくなり、食欲も増加し、外見上は正常になりました。治療開始から3週間強で、血液化学検査では蛋白パネルが改善し、CBCでも貧血が改善しましたが、腎パネルがやや上昇していましたが、この時点では対策は講じず、治療終了から1年後、フェレットは臨床症状が再発することない状態に治癒しました。2例目は経口薬のみを12mg/kgで投与し、治療2日目にフェレットは食欲が著しく増加し、治療6日目に呼吸器症状も治まりました。治療開始2週間後、外見上は正常に戻り、血液化学検査では高グロブリンが減少していました。その後、プレドニゾロンを2週間かけて徐々に減らしました。治療12週間後ではグロブリンがまだ基準範囲より高く、HCTが減少したため、GS-441524 の投与量を 20mg/kg に増やし、さらに 3週間治療を続けました。治療 7週間後、HCTは正常に戻りましたが、グロブリンは高いままでした。そこで治療を中断し、経過観察を行ったところ、治療から7カ月後、腹水貯留が見られましたが、フロセミドで改善しました。フェレットは現在さらに経過観察を続けています。3症例目は30mg/kg BIDの皮下注射で開始され(この用量は計算ミス)、翌日、神経症状があったフェレットは自ら歩行ができるようになりました。 その後4日間は投与量は 15mg/kg に減らされ、経口GS-441524 15mg/kg BID による治療に変更されました。治療開始2週間後には外見は正常に見え、体重も増加しました。治療開始4週間で、脾臓の大きさは正常になり、血液化学検査では蛋白パネルも正常になりました。CBCでは、白血球数は依然として高く (13.8 K/µL)、リンパ球数も増加したままで、治療開始9週間後も同様でした。治療開始から12週間後、血液化学検査とCBCはBUNとクレアチニンの上昇以外は異常なく、フェレットは臨床的に正常でした。その後治療を中止し、経過観察を開始し、治療終了7ヵ月後、フェレットは病気の再発の兆候もなく健康を保っています。腎パネルの上昇は、病気によって引き起こされた損傷によるものである可能性がありますが、現時点では治療の副作用を除外することはできません。GS-441524が猫の腎機能に影響を与えることは報告されておらず、治療中に時折報告される腎臓値の上昇は通常一時的です。ただし、フェレットの腎機能が病気の影響を受けたのか、治療の影響を受けたのかを判断するには、より多くのデータ解析が必要です。
予防
気をつけなければならないことは、フェレット同士で感染することだけでなく、飼い主の衣服や手を媒介して感染することもあり得ることです。最低でもよく手を洗ってから他のフェレットに接触して下さい。
参考文献
- Autieri CR,Miller CL,Scott KE,Kilgore A,Papscoe VA,Garner MM,Haupt JL,Bakthavatchalu V,Muthupalani S,Fox JG.Systemic coronaviral disease in 5 ferrets.Comp Med64:508- 516.2015
- Autieri CR,Miller CL,Scott KE et al.Systemic coronaviral disease in 5 ferrets.Comp Med65(6):508–516.2015
- Fox JG.Gastric disease in ferrets: effects of Helicobacter mustelae, nitrosamines and reconstructive gastric surgery.Eur J Gastroenterol Hepatol6(1):S57-65.1994
- Gnirs K,Quinton JF,Dally C et al.Cerebral pyogranuloma associated with systemic coronavirus infection in a ferret. LJ Small Anim Pract57(1):36-39.2016
- Garner MM,Ramsell K,Morera N et al.Clinicopathologic features of a systemic coronavirus–associated disease resembling feline infectious peritonitis in the domestic ferret (Mustela putorius) Vet Pathol45(2):236-246.2008
- Cosaro E,Pires J,Castillo D,Murphy BG,Reagan KL.EfficacyofOralRemdesivirComparedtoGS-441524for Treatment of Cats with Naturally Occurring Effusive Feline Infectious Peritonitis:A Blinded,Non-Inferiority Study.Viruses15:1680. 2023
- Cox RM,Wolf JD,Lieber CM,Sourimant J,Lin MJ,Babusis D,DuPont V,Chan J,Barrett KT,Lye D et al.Oral prodrug of remdesivir parent GS-441524 is efficacious against SARS-CoV-2 in ferrets.Nat. Commun12:6415-6426.2021a
- Cox RM,Wolf JD,Plemper RK.Therapeutically administered ribonucleoside analogue MK-4482/EIDD-2801 blocks SARS-CoV-2 transmission in ferrets.Nat. Microbiol6:11-18.2021b
- Fischer Y,Ritz S,Weber K,Sauter-Louis C,Hartmann K,Randomized,placebo-controlled study of the effect of propentofylline on survival time and quality of life of cats with Feline Infectious Peritonitis.J Vet Intern Med25:1270-1276.2011
- Garner MM,Ramsell K,Morera N,Juan-Sallés C,Jiménez J,Ardiaca M,Montesinos A,Teifke JP,Löhr CV,Evermann JF et al. Clinicopathologic Features of a Systemic Coronavirus-Associated Disease Resembling Feline Infectious Peritonitis in the Domestic Ferret (Mustela putorius).Vet Pathol45:236-246.2008
- Gnirs K,Quinton JF,Dally C.Nicolier A,Ruel Y.Cerebral pyogranuloma associated with systemic coronavirus infection in a ferret. J Small Anim.Pract57:36–39.2016
- Graham E,Lamm C,Denk D,Stidworthy MF,Carrasco DC,Kubiak M.Systemic coronavirus-associated disease resembling feline infectious peritonitis in ferrets in the UK.Vet. Rec171:200.2012
- Garner MM,Ramsell K,Morera N,Juan-Sallés C,Jiménez J,Ardiaca M,Montesinos A,Teifke JP,Löhr CV,Evermann JF et al.Clinicopathologic Features of a Systemic Coronavirus-Associated Disease Resembling Feline Infectious Peritonitis in the Domestic Ferret (Mustela putorius).Vet Pathol45:236–246.2008
- Haake C,Sarah Cook S,Pusterla N,Murphy B.Coronavirus Infections in Companion Animals: Virology, Epidemiology, Clinical and Pathologic Features.Viruses12:1023.2020
- Jones S,Novicoff W,Nadeau J,Evans S.Unlicensed GS-441524-Like Antiviral Therapy Can Be Effective for at-Home Treatment of Feline Infectious Peritonitis.Animals11:2257.2021
- Lescano J,Quevedo M,Gonzales-Viera O,Luna L,Keel MK,Gregory F.First case of systemic coronavirus infection in a domestic ferret (Mustela putorius furo) in Peru.Transbound.Emerg.Dis62:581–585.2015
- Lindemann DM,Eshar D,Schumacher LL,Almes KM,Rankin AJ.Pyogranulomatous panophthalmitis with systemic coronavirus disease in a domestic ferret (Mustela putorius furo).Vet Ophthalmol19:167-171.2016
- Michimae Y,Mikami S,Okimoto K,Toyosawa K,Matsumoto I,Kouchi M,Koujitani T,Inoue T,Seki T.The first case of feline infectious peritonitis-like pyogranuloma in a ferret infected by coronavirus in Japan.J Toxicol Pathol23:99- 101.2010
- Michael M,Garner K,Ramsell N,Morera C,Juan-Sallés J,Jiménez M.Ardiaca.Clinicopathologic features of a systemic coronavirus-associated disease resembling feline infectious peritonitis in the domestic ferret (Mustela putorius).Vet Pathol45(2):236-246.2008
- Murray J,Kiupel M,Maes RK.Ferret coronavirus-associated diseases. Vet Clin North Am Exot Anim Pract13(3):543–560.2010
- Pedersen NC.A review of feline infectious peritonitis virus infection: 963–2008.J Feline Med Surg11:225-258.2009
- Pedersen NC,Perron M,Bannasch M,Montgomery E,Murakami E,Liepnieks M,Liu H.Efficacy and safety of the nucleoside analog GS-441524 for treatment of cats with naturally occurring feline infectious peritonitis.J Feline Med Surg21:271–281.2019
- Perera KD,Galasiti Kankanamalage AC,Rathnayake AD,Honeyfield A,Groutas W,Chang KO,Kim Y.Protease inhibitors broadly effective against feline, ferret and mink coronaviruses. Antiviral Res160:79-86.2018
- Puffal J,Neece AJ,Scaletti F.Treatment of Three Ferrets Diagnosed with Ferret Systemic Coronaviral Disease Using the Nucleoside Analogue GS-441524Animals (Basel)16;14(6):916.2024
- Ritz S,Egberink H,Hartmann K.Effect of Feline Interferon-Omega on the survival time and quality of life of cats with Feline Infectious Peritonitis.J Vet Intern Med21:1193–1197.2007
- Shigemoto J,Muraoka Y,Wise AG,Kiupel M,Maes RK,Torisu S.Two cases of systemic coronavirus-associated disease resembling feline infectious peritonitis in domestic ferrets in Japan.J Exot.Pet Med23:196-200.2014
- Tarbert DK,Bolin LL,Stout AE,Schaefer DMW,Ruby RE,Fernandez J.RR,Duhamel GE,Whittaker GR,de Matos R. Persistent infection and pancytopenia associated with ferret systemic coronaviral disease in a domestic ferret. J. Vet. Diagn. Invest32:616-620.2020
- Terada Y,Minami S,Noguchi K,Mahmoud HY,Shimoda H,Mochizuki M,Une Y,Maeda K.Genetic characterization of coronaviruses from domestic ferrets,Japan.Emerg Infect Dis20(2):284-287.2014
- Williams BH,Kiupel M,West KH,Raymond JT,Grant CK,Glickman LT.Coronavirus-associated epizootic catarrhal enteritis in ferrets.J. Am.Vet.Med.Assoc217:526-530.2000
- Wise AG,Kiupel M,Maes RK.Molecular characterization of a novel coronavirus associated with epizootic catarrhal enteritis (ECE) in ferrets.Virology349(1):164-174.2006
- Yin Y,Li T,Wang C,Liu X,Ouyang H,Ji W,Liu J,Liao X,Li J,Hu C.A retrospective study of clinical and laboratory features and treatment on cats highly suspected of feline infectious peritonitis in Wuhan,China.Sci.Rep11:5208.2021
- Wege H,Siddell S,V.ter Meulen.The biology and pathogenesis of coronaviruses.Curr.Top.Microbiol.Immunol99:p165-200.1982
- Wills SE,Beaufrère HH,Brisson BA,Fraser RS,Smith DA.Pancreatitis and systemic coronavirus infection in a ferret (Mustela putorius furo).Comp Med68:208-211.2018