鳥は4本指
鳥は趾(あしゆび)は第5趾が完全に退化しているため、基本は4本ですが、趾数と向きは鳥種によって大きく異なります。第1趾が後方を向くタイプが多く、これは木の枝を掴む際に好都合な形状で、三前趾足と呼ばれます。鳥類の中でも最も多いタイプで、スズメ目やミサゴを除くタカ目などに見られます。同じ鳥類でも種類によって趾の数や形状が異なるのは、それぞれの役割が全く異なっているためです。様々な環境や生活様式に応じて大きく異なる進化を遂げてきました。
三前趾足 Anisodactyl 、対趾足 Zygodactyl 、三趾足 Tridactyl 、二趾足 Didacty https://ja.wikipedia.org/wiki/趾_(鳥類)#/media/ファイル:Bird-feets-en.svg
オウムは物が掴める
オウム目は第1趾と第4趾の2本が後方を向き、第2趾と第3趾の2本が前方を向く対趾足で、後ろ向きの指が増えたことにより、木の枝を掴む機能に加えて、木の実などを掴んで持ち上げることもできます〔Proctor et al.1993〕。
猛禽類は指の力が強い
猛禽類の脚ならびに趾の大きな役割は獲物を捕らえることです。
走る指
走鳥類の取りは趾の数が少なく、ダチョウ目のエミューでは、第1趾が退化して三趾で(三趾足)、ダチョウではさらに第2趾が退化して二趾(二趾足)となっています。走るのに特化した結果こうなったと言われています。
水かき
水鳥では水面あるいは水中で推進力を得るために、趾に水かきもしくは葉状のひれがあるものが多いです〔Gill 2007〕。カモメ、サギ、アヒル、ガチョウ、ペンギンなどの水鳥では体温を保つために脛足根血管網と呼ばれる温度調節機能が備わてあります。脚の動脈と静脈が網目状に絡み合い、相互の熱を交換しあっています。体を流れている温かい血液は、脚から来る冷たい血液と隣合わせになることによって、温度が低くなり、そして脚から体に向かう血液は、逆に暖かくなります。
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参考文献
- Proctor NS,Lynch PJ.Manual of ornithology:avian structure and function.Yale Univ.Press.New Haven.1993
- Gill FB.Ornithology 3rd ed.WH Freeman and Company.New York.2007