◎【病気】ミーアキャットの肛門腺摘出手術

オスはの臭腺

オスは肛門に1対の臭腺があり、これを肛門腺と呼ばれています。白色~黄褐色の分泌物を興奮したり、発情すると放ちますが、特有のきつい嗅いがします。オスは肛門腺からの分泌物のためにメスよりも嗅います。オスの嗅いは肛門腺からの分泌物だけでなく、肛門周囲の細かい分泌腺や体全体の体臭も関与します。下の写真の右側の白色の点が肛門腺の開口部です。その周囲の茶褐色の領域が細かい分泌腺です。

手術

嗅いは確かに減りますが、完全に嗅わなくなるわけではありません。体臭はある程度は残ります。

全身麻酔下で行われ、1対の肛門腺を摘出します。犬の肛門腺と比べて直腸に近い深い位置にありますが、手技的には犬やフェレットと同様です。

同時に去勢手術

一度の麻酔で、去勢手術も可能なら行った方が体臭予防になります。

ミーアキャットのオスの陰部

陰嚢正中の直上を1か所を切開して、左右の精巣を摘出します。

手術の適期

性成熟する前に行った方が効果的ですが、体の大きさや体力なども考慮すると、3~5ヵ月齢で手術をするのが理想になります。

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。