原因と発生
羽毛の色は、羽根の基礎構造に対しての光の反射、そして羽毛に含まれるメラニンやカロチンなどの色素によって生じます。変色は栄養(アミノ酸)および内分泌要因の影響を受け、肝機能低下および脂肪代謝異常が関与しています。したがって、嘴羽毛形成不全の一症状として発現し、原因は脂肪肝症候群、甲状腺機能低下症、栄養の不均衡、あるいは慢性発情などが複雑に潜在しているはずです。色の変化は徐々に起こるため、気付かれずに進行してしまうことも多いのですが、よく観察すると同時に羽毛嘴形成不全も併発しています。特に羽毛の変色はオカメインコ、コザクラインコに特化して好発し、セキセイインコにも発生しますが、微妙な変色のため異常に気が付かれないケースも多いです。なお、甲状腺機能低下症はセキセイインコ、オカメインコ、ブンチョウに好発しますが、理由は不明なのですが、ブンチョウでは羽毛の変色はみられません。
オカメインコのYFS
いわゆるルチノーと呼ばれている白オカメインコの白色の羽が黄色に変色し、イエローフェザーシンドローム(Yellow Feather Syndrome:YFS)と呼ばれています。なお、オカメインコはもともと黄色の羽をもつイエローという品種もいますので、間違えないで下さい。ホワイトフェイス種では白色に変色 しますが、アルビノ種では変色の確認は難しいです。


コザクラインコ
ノーマルの緑色部分が赤色に変色するレッドフェザーがよく起こります。



セキセイインコ
セキセイインコは、緑色が黄色に、青色が白色になります。下の写真では綿毛の伸長がも認められます。


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