【解剖】デグーの尾抜けの解説とその対応

発生

デグーの尻尾は外敵から身を守るために切の皮が剥けやすくなっています。尻尾を捕まれても、皮をむいて切って敵の注意をそらし、その隙に逃げ出す、防衛行動です(スリットテイル:Slit tail)。ペットでは野生と違って天敵はいませんが、同居デグーとの喧嘩、回し車やケージの金網に引っかかった、飼い主が尻尾をつかむことで尾の皮が剥けることがあります。


デグー尾きり

対応

皮膚の被毛と皮が剥けて、筋肉が露呈しています。

  • 尻尾が完全に切れたのか?皮が剥けたのか?
  • 出血してないか?
  • 変な方向に曲がっていないか?
  • 切れた部分を自分でかんでいないか?
  • ぐったりしてないか?

デグー尾きり

出血が少なく、曲がっていなく、自分でかんでいなければ、急いで動物病院に行かなくて大丈夫です。しかし、化膿する恐れがある、あるいは出血をして、自分でかんでいる場合は、急いで動物病院に受診するべきです。

治療・対応

野生では尻尾の骨が黒くなり脱落して短くなるだけです。自らかんで化膿させているようであれば、外科的に断尾手術をする場合もあります。

デグー尾きり

まとめ

ペットのデグーは、尻尾が剥けたことにストレスを感じて、その後も剥けた尾をかむことで炎症が起きやすくなります。剥けた尻尾が自然に脱落するかもしれませんが、対応や治療は獣医師とよく相談して決めて下さい。

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。