オスのプレーリードッグの発情の解説と対策

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狂暴プレーリーに変身

発情期を迎えると、オスもメスも狂暴になり、特にオスは周りのものに対してかんで攻撃をしてきます。今まで可愛く接していた、プレーリードッグが変貌するのは悲しいことですが、これは体の生理的な機能なので、どうしようもありません。日本では11月くらいから発情が始まりますが、早いと10月から攻撃が始まります。発情による狂暴化は個体差があり、ほとんど変化が分からないものから、相手に飛びかかって噛みつくほどのものまで様々です。

プレーリードッグ

対応

ずばり対応は以下の3つになります。

  • 見守る
  • 去勢手術(精巣摘出手術)
  • ホルモン治療

見守る

1~3ヵ月位の間の変貌なので、プレーリードッグも人間も怪我をしないように様子をみてあげて下さい。掃除や餌の交換の際も、別のケージに移動してから行うとよいでしょう。ケージの中から見えるものに対して、キャンキャン鳴き声をあげて威嚇しますので、あまり構わないようにします。接触するとかまれて大怪我を負います。背背な

去勢手術

凶変するオスでは、発情の元となる男性ホルモンを分泌する精巣を摘出する手術(去勢手術)が行われることもあります。精巣を収容している陰嚢という袋から摘出します。全身麻酔で行うので、健康なプレーリードッグに限って行われます。なお、発情期になると精巣は大きくなりますが、発情が終了すると極端に小さくなり、鼠経輪を介してお腹の中に精巣が移動します。小さい精巣であるとい、開腹手術になるとプレーリードッグに負担が大きいので、術は発情期に精巣が大きい時には行うのが楽です。

プレーリー去勢手術
プレーリー去勢手術
プレーリードッグ去勢手術

  

精巣を摘出することで、かなりおとなしくなり、その後も発情は起こりません。

ホルモン治療

発情期に分泌するホルモンを抑える治療です。分泌するホルモンとホルモン剤との競争になりますので、完全に発情がおさまるとは限りません。ホルモン剤の投与量も、個体差があり、少量で効果がみられる場合と、大量に投与して発情がやっとおさまったということもあります。ホルモン剤は数種類があり、それぞれ値段や副作用が異なりますので、獣医師と相談して、納得してから行って下さい。

これがポイント!

・年末からオスは気性があらくなる
・狂暴になる個体おり、1~3ヵ月は続く
・そのまま見守るしかない
・去勢手術は負担ですが、確実に発情を止めます
・ホルモン治療の効果は個体差がある

まとめ

発情は毎年起こりますが、個体により弱い強いがありますので、何が一番というものはありません。外科手術は負担がかかり、ホルモン治療は絶対に効くとは限りません。見守るのも辛いですよね?

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。