【病気】鳥のグリットインパクション

たまりすぎている

鳥は歯を欠くため、咀嚼をしません。そのため筋胃の中にグリッド(Grit )と呼ばれる砂粒状のものを貯めることによって、餌をすりつぶして消化の補助を行うことから、筋胃を砂嚢あるいは砂肝もと呼ばれています。このグリットが溜まりすぎる病態がグリットインパクション(Grit Impection)です。

グリット

グリッドの素になるものとしては種子食の中に混じった砂や、ボレー粉、イカの甲羅(カトルボーン)、塩土、焼き砂、植木鉢の土、ペレットに含まれるカルシウムの粒などがあります。基本的に成分は炭酸カルシウムになります。

症状

筋胃の中に過剰のグリットが停留し、突然の嘔吐や食欲不振を起こし、食滞を起こし、嘔吐や食欲不振などが見られます。

検査・診断

筋胃の中のグリットが過剰に蓄積していることで診断されます。ただし、異常と判断するグリットの量の境界は明確になっておらず、症状とともに総合的に判断します。

正常
異常

治療

シードやペレットなどの粒餌から、流動食に切り替えます。または潤滑剤の内服投与でグリットの排泄を促し、ボレー粉などによる小さいグリットは消化による溶解を待ちます。

もっと鳥を勉強したい時に読む本

カラーアトラス エキゾチックアニマル鳥類編 緑書房

必読!鳥好きならぜひ・・・

病気を勉強するならコレ!

コンパニオンバードの病気百科.誠文堂新光社

家庭に一冊おいておくべきですね!

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。