カメレオンの口内炎/歯周病

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カメレオンのマウスロットは甘く見ないで!

カメレオンの口内炎(マウスロット:Mouse lot)は歯周病と深く関連して、顎の骨まで侵されることがあります。カメレオンの歯は顎の骨の表面にわずかに緩く付いている原始的な構造をしており(端生歯という歯の萌出形態をしている)〔McCraken 1994〕、口内炎が歯周病にまで進行して、顎の骨までおかされやすいです。

症状は?

カメレオンの口内炎は炎症を起こすだけでなく、食欲不振や口の変形を起こし、舌を上手く使うことができなくなり、エサを食べれなくなることもあります。

一部のカメレオンは歯肉が黄色や黒色をしていますので、口内炎や歯周病が分かりにくいこともあります。最終的に衰弱して死亡することも珍しくないです。

治療は?

骨まで侵された歯周病は予後不良なので、早期に治療することが重要です。

口内炎が怪しい時はこれ付けて!

犬猫用だけどカメレオンに使える!口中に数滴垂らして下さい。1日3回。治らない場合は病院に受診して下さい。

参考文献

■ McCraken H,Birch C.Periodontal disease in lizards.A review of numerous cases.Proceedings of the American Association of Zoo Veterinarians.108-115.1994

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。