【病気】ヒョウモントカゲモドキのスティックテール病

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病名じゃなくて病態

ヒョウモントカゲモドキのスティックテール病(Stick tail disease)は爬虫類の愛好家で使用されていますが、病名ではなく体重減少の症状を指す俗称であり、誤解されています。

正常
削痩

栄養貯蔵

ヤモリなどの小型~中型のトカゲは、代謝が比較的高いために、餌を頻繁に食べる必要があります。そのため、寒い時期や病気の時などは栄養が取れないことから、尾に脂肪を蓄積しておいてエネルギーとして利用します。つまり、ヤモリであれば尾の太さで栄養状態が確認できます。

クリプトに注意

病気あるいは栄養失調になると体重は加速的に減少します。つまり非常に高い代謝を持つ一方で、飢餓にると尾の脂肪もエネルギーとして急速に使用される結果、細くなり、尾(Tail)が棒(Stick)のように見えることから命名されました。多くの原因が考えられていますが、下痢および体重減少を示すヒョウモントカゲで多発するクリプトスポリジウム感染症の症状の際によく使用されていますが、実際の原因は検査をしてみないと分かりません。いずれにせよ、急いで対応した方がよい状況であるのに間違いはありません。動物病院で診察を早急に受けて下さい。

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この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。