2心房2心室
両生類と爬虫類の心臓は2心房1心室で、心房は左右2つに分かれ、心室は1つです。水中での潜水時には2心室だと使用されない肺にも血液を循環し、この構造の心臓は動脈血と静脈血が心室で混ざってしまい、酸素と二酸化炭素の交換効率が悪くなりますが、両生類や爬虫類は肺呼吸の他に皮膚呼吸や粘膜呼吸も可能で、酸素交換手段を複数備えています。しかし、爬虫類の2心房1心室の心臓は両生類と一部が異なり、心室を2つに分ける壁ができはじめており、両生類よりも肺呼吸ができるように進化しており、皮膚呼吸を行う必要もなくなり、より陸上生活に適応している結果でしょう。
ワニは2心房1心室
ワニは哺乳類と同じく2心房2心室をしています。陸上で長時間活発に動くには、肺循環と体循環を別にして酸素の豊富な動脈系を高い圧力で動かし、同時に他の爬虫類と同じように右心室と左心室の両方から体循環へつながる大動脈弓がみられ、その2本の動脈がパニッツァ孔と呼ばれるバイパスで繋がっています。潜水時に肺呼吸ができなくても、肺への血液循環を左大動脈弓と肺動脈の弁が開閉することで血液は心臓に戻ります。 水中では肺呼吸ができないので、無駄な経路である肺循環をバイパスして、体内の血液に残された酸素を効率よく使い切ることができ、長時間の潜水を可能にしているのです〔Marja et al.2005〕。
参考文献
■Marja JL et al.Reptile cardiology:A review of anatomy and physiology, diagnostic approaches, and clinical disease.Seminars in Avian and Exotic Pet Medicine14(1).p52-60.2005