角膜のトラブル
角膜の外層の細胞が欠損することが角膜潰瘍で、いわゆる角膜が傷ついて、えぐれてしまった状態を指します。細菌感染や物にぶつかって傷がつく以外にも、牧草や床敷が目の中に入って擦れることでも発生し、特に活動的なウサギやオスで発生します〔Holve et al.2011〕。
角膜潰瘍は光沢のある角膜表面がなんとなくつや消しのように変性していたり、軽く濁って見えることもあります。
ウサギの角膜は他の動物よりも薄いので、角膜潰瘍が重度だと浮腫が起こって白濁が強くなります。この潰瘍から細菌感染が起こると角膜炎になります。角膜に血管が血走ったり、線維化と言って硬い組織に置き換わってしまうと白濁が濃く見えます。角膜に障害を患ったウサギは目をショボショボと細めていることが多いです。
他にも角膜の細胞に脂質やカルシウムが沈着をして、角膜が白く変性するような病気もありますが、これらは体の中の異常のサインのようです〔Moore et al. 1987〕。
診断は?
角膜潰瘍は傷を染色して判定するフルオレセイン染色を使った検査を行い、潰瘍で欠損した領域が染色されることで診断されます。
症状は?
目に違和感を感じて目をつむったり、目ヤニや涙目になります。
治療は?
角膜潰瘍には角膜を保護する点眼薬を行い、えぐられた細胞が再生するまで待ちます。角膜炎を起こしている場合は抗生物質の点眼を併用します。
角膜保護の目薬はコレ?
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参考文献
■Holve DL,Mundwiler KE,Pritt SL.Incidence of spontaneous ocular lesions in laboratory rabbits.Comp Med61(5).436-40.2011
■Moore CP, Dubielzig R,Glaza SM.Anterior corneal dystrophy of American Dutch belted rabbits: biomicroscopic and histopathological fi ndings. Vet Pathol24.28–33.1987