目の脇のしこり?専門獣医師が解説するウサギの瞬膜腺過形成

瞬膜腺過形成とは?

発情したオスは甲状腺ホルモン(サイロキシン)とアルドステロンというホルモンが瞬膜腺を刺激して大きくすることが知られています〔Eglitis 1964〕。しかし、大きくなりすぎて目から飛び出るくらいの増殖を示すことがオスだけでなく、メスでも起こり瞬膜腺過形成と呼ばれています。

ウサギの瞬膜腺過形成

ウサギの目の仕組みを一度読んで勉強してみて!

腫大した瞬膜腺は通常は瞬膜の内側に収まっていますが、指で目の内側を押すと増殖した瞬膜腺が飛び出てきます。

ウサギ瞬膜腺過形成
ウサギの瞬膜腺過形成
ウサギの瞬膜腺過形成

  

痛いの?

腫大がひどくなると通常から飛び出た状態になりますが、ウサギは視界が狭くなり見えにくくなりますが、炎症や目ヤニは見られません。腫脹した瞬膜腺が涙点を塞ぐために涙が鼻涙管を介して流れずに涙目になります。

治療は?

定期的な観察を続けるか、外科的に瞬膜腺を切除する治療を選択するしかありません。

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参考文献

■Eglitis I.The glands.In The Rabbit in Eye Research. Prince JH.ed.Charles C.Thomas.p38-56.1964

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。