水晶体で屈折した光は硝子体を通過します。硝子体はドロっとしたゲル状で、眼球の形状を内側から維持しています(眼圧維持)。硝子体を通過した光は、網膜にぶつかり映像に変換します。カメラではフィルムにあたります。網膜にはたくさんの視細胞があり、明るさや色、形を感じ取ることができます。視細胞には錐体と桿体の2種類があり、錐体は明るい所で反応して、形を見分けて色覚もあり、大きく視力に関わっていますが、桿体は暗い所で反応して、形は認識できても色覚はありません。ウサギは杆体が優勢なので、夜間の暗い場所での視覚を保つのに役だっています〔Bagley et al. 1995〕。これはウサギが夜行性であることに起因しています。映像は最終的に視神経を介して脳に伝達されて物が見えます。
瞬きをほとんどしない ウサギは、まばたきの回数がとても少なく、1時間に約10~12回しかしません〔Peiffer et al. 1994〕。これは6分に1回程度の間隔で、人やサルでは5~6秒に1回〔Cruz et al.2011、小野寺2013〕のまばたきをします。ウサギのまばたきが特に少ないことが分かります。ウサギは休んでいる時や寝ている間も完全にまぶたを閉じることが少ないのは、野生では捕食される危険に常に曝されているからです。そのために角膜表面の涙が乾燥しないように、他の動物よりも瞬膜腺が発達して脂質成分が多いのかもしれません。この特徴も天敵が近づいてくるのを見逃さないように、目を長く開いていられるよう進化した結果かもしれません。ちなみに、眠る時も目を半分開けているのが普通です。
参考文献 ■Cruz,Antonio A.V,Garcia,Denny M,Pinto,Carolina T.Cechetti,Sheila P.Spontaneous Eyeblink Activity.The Ocular Surface9(1).29–41.2011 ■Donnelly TM.Rabbit Ophthalmology.ABVP Proceeding.2011 ■Eglitis I.The glands.In The Rabbit in Eye Research. Prince JH.ed.Charles C.Thomas:p38-56.1964 ■Harkness JE,Wanger JE.The Biology and Medicine of Rabbits and Rodents.4th ed.Williams&Wilkins.Baltimore:p305-307.1995 ■Harcourt-Brown F.Textbook of Rabbit Medicine. Butterworth-Heinemann.Oxford,UK.2002 ■Kaufman SR.Problems with the Draize Test.Medical Research Modernization Committee (MRMC) – Perspectives on Animal Research1:p69-72.1989 ■Peiffer RL,Pohm-Thorsen L,Corcoran K.Models in ophthalmology and vision research.In the Biology of the laboratory Rabbit,2nd ed.Manning PJ,Ringler DH,Newcomer CE eds.Academic Press.New York:p410-434.1994 ■根木昭.眼のサイエンス.視覚の不思議.文光堂.東京.2010