鳥の皮膚糸状症~ブンチョウの嘴顔の黄色カサブタ?

カビのことね!

皮膚に起こる真菌感染症で、飼育鳥ではフィンチ類、特に文鳥に多く見られます。主に後頭部、嘴周辺を中心とに、脱羽や黄色痂皮を生じ、鳥は違和感を感じて止まり木に擦ったりするような行動が見られます。鳥の真菌感染は不適切な栄養管理、他の感染症などが免疫低下を起こすことが原因となるが、羽毛はケラチンから構成されているため、野鳥や家禽ではケラチン新和性真菌症が報告されています〔Yamaguchi 2019,Nardoni et al.2021〕。

人獣共通感染症?

これらの真菌種には、人間の患者と動物の両方の皮膚疾患の原因となる可能性もあるため注意して下さい〔Camin et al.1998,Gungnani et al.2012,Pugh et al.1970〕。

診断

患部のサンプルを顕微鏡で観察したり、真菌培養検査で診断します。

治療

基本的に抗真菌剤の内服で治療します。ケージの中を下記の消毒薬で掃除して下さい。

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参考文献

■Camin AM,Chabasse D,Guiguen C.Keratinophilic fungi associated with starlings (Sturnus vulgaris) in Brittany, France. Mycopathologia143:9–12.1988
■Gungnani HC,Sharma S,Gupta B.Keratinophilic fungi recovered from feathers of different species of birds in St Kitts and Nevis.West Ind Med J61:912–915. 2012
■Nardoni S et al.Survey of Keratinophilic Fungi from Feathers of Birds in Tuscany.Biology (Basel) 10(12): 1317.2021
■Pugh GJF,Evans MD.Keratinophilic fungi associated with birds. II. Physiological studies.Tran Br Mycol Soc54:241–250.1970
■Yamaguchi S.Endangered Zoonotic Fungal Species from Chicken (Gallus gallus domestics).Med. Mycol J60.45-49.2019

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。