自然発生の糖尿病がチャイニーズハムスターで発見され〔Meier et al.1959〕、糖尿病の同系交配は1963年に始まり、現在糖尿の発生率が85%を超える近交系が作成されました。出生時のハムスターは前糖尿病と見なされますが、出生時からすでに過食性があり、エサの量と組成は発症に強い影響を与えます。餌を制限するような状況では、インスリンの一時的な増加のみで、臨床的に非糖尿病のまま経過する可能性もあります。糖尿病は、早くも18日、遅くても250日で発症し、餌と水の摂取量は2〜3倍に増加します〔Meier et al.1961〕。発症すると500mg/dlの空腹時血糖値が報告され、糖尿病のハムスターでは、腎臓、神経、血管、目、脳、および生殖器-泌尿器系の形態学的異常が観察され、特に腎不全を起こします〔Gerritsen 1982〕。
多飲多尿は、必ずしも糖尿病でだけの症状ではなく、腎不全や感染症でも見られる症状です。糖尿病の診断には、前述した症状に加えて、尿検査において尿試験紙による尿糖を確認することが重要となります。正常なハムスターの尿だと糖分が含まれれていませんが、糖尿病の場合は尿糖が陽性となります。糖代謝が正常に機能せず飢餓状態が続くと、尿中にケトン体が検出されることもあります。しかし、ジャンガリアンハムスターとチャイニーズハムスターの糖尿病の発症は異なる点があり、ジャンガリアンハムスターは、発症すると早い時期に頻繁にケトン尿が見られます〔Herberg et al.1980〕。
Gerritsen GC.The Chinese hamster as a model for the study of diabetes mellitus.Diabetes31(Suppl 1 Pt 2):14-23.1982
Herberg L,Buchanan KD,Herbertz LM,Kern HF,Kley HK.The djungarian hamster,a laboratory animal with inappropriate hyperglycaemia.Comparative Biochemistry and Physiology Part A:Physiology65(1).35‐60.1980
Meier H,Yerganian G.Spontaneous Diabetes Mellitus in the Chinese Hamster (Cricetulus Griseus): II. Findings in the Offspring of Diabetic Parents.Diabetes10(1):12–18.1961
Meier H,Yerganian GA.Spontaneous diabetes mellitus in Chinese hamsters {Crketulus griseus).I.Pathological findings.Proc.Soc.Exper.Biol.Med100:810-815.1959