◎【病気】げっ歯類の歯牙腫(オドントーマ)

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過誤腫

ハムスターをはじめとするげっ歯類は切歯のみが常生歯で、生涯伸び続けます。ケージの金網を咬む刺激あるいは破折を起こしての感染などで歯根の幹細胞が失活することで歯牙腫になります。歯牙種とは歯原性腫瘍の過誤腫の1つで、エナメル質、象牙質、セメント質、歯髄などの歯胚・歯の組織からなります〔Dubitelzig et al.1986〕。。類似した病態は、犬や猫、げっ類、羊、馬を含む様々な種で報告されています〔Barker et al.1985,Hanselka et al.1974,Head 1976.Moulton 1978,Norris et al.1985,Peter et al.1968,Vaughan et al.1968〕。一部ではハムスターでは臼歯に発生した歯牙腫が 植物由来の異物に由来した化膿性炎症と関連していた報告もあります〔Ernst H et al.2013〕。

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発生

げっ歯類ではプレーリードッグやジリスで歯牙腫が多発し、次いでハムスター、デグー、シマリス、スナネズミに発生します。

症状

基本的に上顎の切歯の歯根に多発し、腫瘍は鼻涙管へも影響も起こすことで流涙がみられ、侵された切歯は萌出しなくなります。

腫瘍が大きくなると、鼻腔閉塞や鼻甲介の破壊を容易に起こして鼻炎を起こすことで鼻汁やくしゃみが見られ、信仰すると呼吸促拍や呼吸困難になり、鼓腸症までになって異常と発見されることもあります。

重篤になると眼球突出が起こることがあります。

ハムスター眼球突出

診断

X線検査において上顎切歯の境界明瞭な石灰化病巣が特徴な所見です。

詳細はCTスキャンで診断します。腫瘍の大きさおよび鼻腔内の破壊侵襲の程度が確認できます。

治療

抜歯をすることは小型げっ歯類に侵襲が強いのため、二次的な炎症を抑えるために抗生物質や抗炎症剤を投与するのみです。呼吸困難であればネブライザー療法および酸素吸入を行います。

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参考文献

  • Barker IK, Van Dreumel AA.The alimentary system.In Pathology of Domestic Animals ed. Jubb, Kennedyand Palmer.3rd ed.p19.Academic Press.Orlando.1985
  • Dubitelzig RR et al.Complex Odontoma in a Stallion.Vet.Pathol23:633-635.1986
  • Ernst H et al.Spontaneous Complex Odontoma in the Molar Region of a Syrian Hamster:a Case Report.Conference:STP meeting Portland.USA.2013
  • Hanselka DV,Roberts RE,Thompson RB.Adamantinoma of the equine mandible.Vet Med/Sm Anim Clinic69:157.1974
  • Head KW.Tumours of the upper alimentary tract.In International Histological Classification of Tumours of Domestic Animals.part1.p145.World Health Organization.Geneva.1976
  • Moulton JE.Tumors of the alimentary tract.In Tumors in Domestic Animals,ed.Moulton,2nd ed:p240.University of California Press.Berkeley.1978
  • Norris AM.Withrow SJ,Dubielzig RR.Oropharyngeal neoplasms.In Veterinary Dentistry ed.Harvey.1st ed:p131.WB Saunders, Philadelphia.1985
  • Peter CP,Myers VS Jr,Ramsey FK.Ameloblastic odontoma in a pony.Am J Vet Res29.1495.1968
  • Vaughan JT,Bartels JE.Equine mandibular adamantinoma.J Am Vet Med Assoc153:454.1968

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。