【病気】モルモットのファッティーアイ〔Fatty Eye〕(目の白いコブ)

発生・病態

目の結膜に発生する白色の膨らみは、結膜の粘膜に沈着した脂肪で、特に肥満のモルモットに見られ、脂肪の塊であるため、ファッティー・アイ(Fatty eye:太った目)とも呼ばれています。イギリスの調査では、モルモットの2.3%において診断されるくらい、少なくはない病態です〔Williams et al.2010〕。脂肪の大きさは軽いものから、大型のものまであり、結膜炎などが起こることはまれですが、血管が新生するようになることもあり、その時は抗生物質や抗炎症剤の点眼薬をさします。脂肪の存在により、涙が目の内側にたまりやすく、涙が多くなることがありますが、多くのモルモットは気にしません。この脂肪の塊が球状に増殖すると、ピー・アイ(Pea eye:エンドウ豆の目)とも呼ばれます。

モルモットファッティーアイ

診断・検査

目視や眼科検査で確認され、特徴的な所見から暫定的に診断します。

治療

視力を妨げているような顕著の場合には外科的に除去することを検討しますが、通常は治療の必要がないです。

参考文献

  • Williams D,Sullivan A.Ocular disease in the guinea pig (Cavia porcellus):a survey of 1000 animals.Veterinary Ophthalmology13:54-62.2010

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。