ウサギのコクシジウム症

コクシジウムはウサギでは好発する寄生虫症です。

コクシジウム(Eimeria属)はウサギの腸管に寄生するタイプは12種類あるそうで、多くが2種類以上のコクシジウムに混合感染しているといわれています。

加えて肝臓に寄生するコクシジウム(E.stiedai)というタイプもあります。

一般に成熟したウサギがコクシジウムに感染しても、多くは不顕性感染と言って症状は表向き何もないケースが多いようです。

しかし、これが幼弱の個体が感染しますと下痢や体重減少を引き起こし、重症例では死亡したりする場合もあります。

今回、ご紹介するのは3か月のウサギ君です。

水溶性下痢便が続くとのことで受診されました。

便は下の写真です。

早速、検便を実施しました。

顕微鏡下で以下のコクシジウムのオーシスト(卵)が見つかりました。

黄色い矢印が示しているのがコクシジウムのオーシストです。

治療法としては、サルファ剤やトリメトプリム・スルファジアジン合剤を投薬することで駆逐します。

問題となるのは、12種類あるコクシジウムの内、交叉免疫と言って1種類のコクシジウムに感染したからと言って残り11種類のコクシジウムには免疫ができたわけではありません。

いづれにしても幼弱個体ではこのコクシジウムは要注意ですね。

この記事を書いた人

伊藤 嘉浩

伊藤 嘉浩

“小さくてもひとつのいのち”をスローガンに命あるもの全ての治療に全力を注いでいきたいと考えています。

動物医療は我々、獣医師と飼い主様、動物の3者が協調しあうことでよい治療結果が生み出せると考えます。

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