患者情報
- 動物種: ペニンシュラクラーター(ペニンシュラクラーター属のミズガメ)
- 性別: 若齢のため識別不可
- 年齢: 推定1歳未満
- フード: 亀用フード
亀の中耳炎
中耳炎は亀を含む爬虫類で比較的よく見られる疾患であり、特に飼育環境に起因するケースが多く報告されています。
飼育環境の水質管理不足(特に温度管理)や栄養不良(特にビタミンA欠乏)は、免疫機能の低下や粘膜の防御機構の破綻を引き起こし、中耳炎のリスクを高める要因となります。
またペニンシュラクラーターは、淡水生のミズガメで、主に池や川などの静水域に生息しています。
この種は比較的丈夫とされますが、不適切な飼育状況下では細菌感染や栄養不足が原因で健康を害することがあります。
症状
今回の症例は昨日から左頬が腫れているとのことで来院されました。
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診断
身体検査の結果、左側の鼓膜部に一致する領域に著明な腫脹が認められ、右側には異常は認められませんでした。
外貌から中耳炎を疑い、腫脹部の切開を行う事にしました。
治療(腫脹部の切開)
- 左側の腫脹部を21Gの針を用いて切開しました。
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- 切開部位は縫合せずにそのまま癒合を待ちます。
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考察
今回の症例では、固形の内容物が堆積していました。膿が固形化し慢性化していた可能性が示唆されます。
早期に診断し排膿を行ったことで、治療が成功しましたが、亀の中耳炎は再発することもあるため、長期的な環境管理が重要です。