ペットとして飼われる豚は、近年人気が高まっており、家庭での飼育が増加しています。特に小型のブタ(ミニブタ、マイクロブタなど)は、その愛らしい外見や個性的な性格から、多くの家庭で飼われるようになりました。しかし、ペット用の豚も野生の豚と同様に、特定の感染症にかかるリスクがあります。
背景
今回ワクチン接種を行う日本脳炎や豚丹毒は、主に農業用豚に見られる病気ですが、ペット用の豚に対しても感染の危険があります。日本脳炎ウイルスは蚊を媒介とし、感染した場合には神経系に影響を及ぼすことがあります。一方、豚丹毒は、環境中に存在する細菌(Erysipelothrix rhusiopathiae)によって引き起こされ、皮膚や内臓に重篤な影響を及ぼすことがあります。
これらの病気は、ペット用の豚に対しても健康リスクをもたらすため、予防接種が重要です。特に、ペット用の豚が他の動物と接触する機会が多い場合や、外で遊ぶことがある場合は、定期的なワクチン接種を通じて、健康を守ることが求められます。飼い主は、これらの病気について理解し、予防策を講じることが大切です。
症例概要
患者情報
- 種別:マイクロブタ
- 性別:♂
- 年齢:2歳
- 飼育環境:大型犬用ケージ
- フード:マイクロブタ用ペレット、野菜
主訴
日本脳炎/豚丹毒のワクチン希望で来院されました。過去に日本脳炎と豚丹毒のワクチンをそれぞれ4回接種しています。
接種実施
清潔な針とシリンジを使用しワクチンを用意します。
マイクロブタは繊細な一面を持つため、おやつで気を紛らわせてからワクチンを接種します。
筋肉内に正確にワクチン接種し、その後止血を確認しました。
まとめ
日本脳炎および豚丹毒のワクチン接種は、ペットである豚の健康を維持するために重要な施策です。今後も定期的なワクチン接種と健康管理を行うことで、感染症の予防に努めましょう。