ウサギの脛骨骨折・創外固定手術

ウサギは非常に骨が脆く、自身でちょっと強くキックした位でも骨折するケースもあるほどです。

今回のミミちゃんは脛骨を骨折し、骨折部は斜骨折といって斜めに折れている状態です。

犬猫であればプレートで骨折部を内固定するか、骨髄にピンを入れて固定するところです。

しかし、ウサギの場合は骨が脆いがために斜骨折では、私はいつも創外固定を選んでいます。

今回は骨折端が皮膚を突き抜け開放創となっていました。

術後のレントゲン像は下の写真です。

骨折端が若干の転位があり、順調に骨癒合してたとしても3~4カ月は必要と思われました。
加えて非常に元気なウサギさんなので、その間飼い主様にも飼育に多大な注意が必要です。
術後1カ月の写真です。

飼い主様のお世話の甲斐あって、術後の再骨折もなく、術後約4カ月目にしてピンを抜くこととなりました。
下のレントゲン写真はピン抜去後のものです。

骨折部は骨折部を橋渡しして埋める新しい骨組織(化骨)に変わっています。
骨折部がもとの形状に戻る(再構築)まで少し時間がかかりますが、とりあえずエリザベスカラーと創外固定ピンのストレスから解放されてミミちゃん、良かったね!(ピン抜去後は1週間はエリザベスカラーはつけてもらってます。悪しからず。)

ウサギは骨折しますと治癒するまで、犬猫以上に時間を要します。
不注意に高いところに上げたり、抱いていて落としたりしないようご注意ください。

この記事を書いた人

伊藤 嘉浩

伊藤 嘉浩

“小さくてもひとつのいのち”をスローガンに命あるもの全ての治療に全力を注いでいきたいと考えています。

動物医療は我々、獣医師と飼い主様、動物の3者が協調しあうことでよい治療結果が生み出せると考えます。

治療に先立ち徹底したインフォームド・コンセントを心がけております。