医学研究においてのミニブタは、毒物学、薬理学、実験手術、呼吸器学、心臓病学、異種移植、整形外科手術、老化研究などの分野で使用されてきました 〔Høy-Petersen et al., 2020〕。ブタは他の実験動物と比べて身体もそれなりに大きく、サル以上に体重や皮膚の状態、内臓の大きさなどが人間に近い動物です。異種間移植の臓器提供用動物としても研究が続けられています 〔Cooper et al.2017〕。例にあげると、ブタは人の胃腸の構成細胞、通過時間やpH 〔Claudia et al., 2012〕、肝臓における主要薬物代謝酵素も類似しています 〔Dalgaard 2015,Claudia et al.2012.Zuber et al.2002〕。皮膚が裸出しているため、化粧品や外用薬の塗布試験などにも使われます。
ミニブタの作成
ペットのミニブタは元々家畜として飼われていたブタの小型種と交雑によって作られた種類の2つのルートがあるようです。交雑種は主に実験動物として開発されたもので、ほとんどはポットベリー種と他の小型種から作られました。中にはドイツで開発されたゲッティンゲン種の血を引くものと思われる個体もいます。ゲッチンゲン種はミネソタミニブタ、ベトナムのポットベリー種、ドイツのランドレース種を交配することによって開発された小型種です 〔Bollen et al.1996〕。
ブタの鳴き声は、「ブーブー」「ブヒブヒ」というのが定番ですが、他にも複数の鳴き方によって意思表示をします。母ブタが授乳する時は、優しく「グウグウグウ」と鳴くことで子ブタを集め、子ブタも先立って甲高い声を出します。何かに興味を示している時は「グッグッグッ」、空腹や怒っている時は「グォーグォー」と甲高く鳴き、闘争や痛い時は「ギャーギャー」と鳴きま、20種類以上の鳴き声を使い分けているといわれています 〔Kilgour et al.1984〕。
ブタの嗅覚は土中の深い場所にある餌を見つけることができるほど優れています。また、嗅覚はコミュニケーションや仲間の認識にも役立ちます。特にフェロモンを唾液や尿に分泌させで、相手が見えなくても尿や体臭で見分けたり、なわばりにもマーキングします。この特性から高級食材であるトリュフを掘り起こすのに、メスのブタが使われていました。トリュフにはオスのブタのフェロモンと同じ成分が含まれており、ブタはその匂いを嗅ぎつけて掘り起こします 〔Dannenberg et al.1995〕。
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