両生類は水が命
両生類は水に強く依存している動物で、飼育する水場の水を特別に調節して用意しなければなりません。しかし、爬虫類の多くは、我々が普段飲んでいる水道水や井戸水を使用して問題ありません。特に気になるならば、調節した水を使って下さい。
両生類では、水質としてpHの調節や有毒物質の除去が重要です。水のpHは6.5~7.5が理想で、極端な酸性は有害になります。酸性の水は幼生の外鰓に障害を生じます。また、水道水を使用する場合、消毒用の塩素が動物に対して有害なため、残留塩素を除去してから使用するべきです。
カルキ抜き
塩素を水道水から除去する方法はカルキ抜きと呼ばれています。水道水に含まれる塩素は、人体には影響が出ない程度の含有量ですが、鰓で呼吸する動物では有害です。カルキ抜きしていない水は、熱帯魚では鰓に付着すると呼吸がしにくくなり、両生類は肺呼吸や鰓呼吸以外にも皮膚呼吸をするため、障害が起こることが十分に考えられています〔池田 2005〕。
くみ水
水道水を水面の表面積が広い桶やバケツなどを使って水を張ります。ただそのまま放置しておけば自然に塩素は揮発して消失しますが、日陰よりも屋外の日光のあたる場所に置いておく方が圧倒的に塩素が早く抜けます。自然揮発させる場合は天気が良い日に外で行うことをおすすめします。地域ごとに水道水の残留塩素は異なるためにおおよその目安になりますが、日光浴をした10Lの水道水なら3~6時間で塩素を0%近くまで無くすことが可能です。室内の場合は早くても24時間、長いと3日以上も要します。
沸騰水
沸騰させてカルキをとばすという方法ですが、沸騰後に水を冷まさないといけない手間がかかるので現実的でありません。
浄水器
塩素を除去できる浄水器を使用することができますが、コストがかかります。
中和剤
色々なカルキ抜きのための塩素中和剤があります。ハイポ(ハイポとはチオ硫酸ナトリウムNa2S2O3)のことを指す)という成分が有名ですね。
お薦め商品
爬虫類や両生類向けのカルキ抜き剤(塩素中和剤)も多数販売されています。塩素中和作用だけでなく、栄養剤や皮膚の保護剤、消臭剤、水質安定剤などが配合されていますので、目的にあったものを選びましょう。
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参考文献
- 池田純.18有尾類の飼育.これからの両棲類学.松井正文編.裳華房.東京:p216-226.2005