【解剖】爬虫類の卵歯(卵を割る歯)

卵歯・卵角

孵化したばかりの卵生の爬虫類は卵から孵化する前に吻端にナイフのような突起状の小さい角が見られ、卵殻を破って外に出るために使われます。孵卵数日後、または最初の脱皮時に、この角は取れて消失します。トカゲやヘビでは通常の歯とは異なりますが、前顎骨から発生するため卵歯(Egg teeth)呼ばれ〔O’Malley 2005,Mehler 2003,Edmund 1970〕。カメやワニでは単に表皮の角質からできているため卵角(Caruncle)と呼ばれています〔Hermyt et al.2020,Edmund 1970〕。

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参考文

  • Edmund AG.Dentition.InBiology of the Reptilia1.Morphology A.Gans C ed. London: Academic Press:117–194.1970
  • Mehler SJ,Bennett RA.Oral,dental,and beak disorders of reptiles.Vet Clin North Am Exot Anim Pract6(3):477-503.2003
  • O’Malley B.General anatomy and physiology of reptiles.Clinical Anatomy and Physiology of Exotic Species:Structure and function of mammals,birds,reptiles,and amphibians.Elsevier.St.Louis.MO.2005

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。