昼行性のカメ?夜行性のカメ?

薄明薄暮

カメは棲息地域の気温や種類により活動時間が異なりますが、基本的に昼行性です。日が昇る時間に起床し、日が沈むと寝間へ行き就寝します。しかし、カメは外気温動物で、体温が外気温に左右されるため、暖かい地方では暑い日差しを避けるため夜行性あるいは薄明薄暮であるようです。沖縄に棲息するヤエヤマイシガメは日差しが強く暑いので、ほぼ完全な夜行性で、ヤマガメやハコガメは明け方や夕暮れ時に活動する薄明薄暮のようです。また、スッポンは臆病な性格で、日中は暗い所や砂の中に潜るのを好み、夜に活動するとも言われていますが、詳細は不明です。ミシシッピニオイガメなどのニオイガメの仲間は流れの緩やかな河川や湖、沼などに棲息し、ほとんどの時間を水の中で過ごしているため夜行性と言われ、日光浴をあまりおこないません。 カミツキガメやワニガメ、オオアタマガメなども河川や湖などに棲息し、水生傾向が強く、ほとんど陸に上がることはないため夜行性と言われています。

まずは光についてコレを読んでみて!

ライトの有無

これらの夜行性と言われているカメも完全な暗闇を好むと言うよりは薄明薄暮の活動パターンという説が有力で、ほぼ水中で過ごします種類では、日光浴いわゆる甲羅干しはあまり必要としません。飼育上では紫外線ライトの設置を重要視してはいませんが、紫外線を当てることにまったく意味がないかと言えばそうではなく、多少なりとも甲羅の硬質化や骨格形成に効用があるはずと思われ、紫外線ライトの照射を行っている方もいます。ただし、照射する場合はあまり強いライトを当てると、隠れてしまったりするので弱めのものを使用するようにするべきです。

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。