爬虫類の飲水と湿度の関係

湿度は重要

両生類や爬虫類が生きていくには、水は大切なものです。種類や個体によって水へのアプローチは異なりますが、飲み水と環境における湿度の2つの方法があり、お互いが深く関わるので、ここでは一緒に解説をします。

飲み水

どんな乾燥した地域に生息している動物でも飲み水は必要です。特に爬虫類ではタンパク質を代謝したものを尿酸という物質として排泄します。水が不足すると、膀胱結石痛風(尿酸が体の中に溜まる病気)、消化管のうっ滞や便秘になりやすいです。飲み水の与え方は、基本的には水容器に入れて与えるか、あるいは霧吹きをし、ケージ内壁やケージ内のアクセサリーについた水滴をなめさせる方法があります。

水ガメ

水ガメは水場の水を飲むので、水分不足になることは少ないです。

陸ガメ

陸ガメでは自ら水を積極的に水を飲まない場合があります。そのような時は、野菜を多く与えたり、温浴で飲ませるという方法がとらえています。

ヤモリ

ヤモリは水容器から飲む個体もいますが、霧吹きで水滴をなめさせる方法を併用して下さい。

カメレオン

カメレオンは変わっており、動いていない水を認識しません。大きめの水容器内にポンプでエアーを送って水面を動かし、水を認識させます。また、水滴を落とすドリップ方式で水を飲ませます。

ヘビ

ヘビは水容器から直接水を飲みます。ヘビは水に浸かることが好きな種類も多く、ケージ内に常に水をいれた容器が、シェルター的な役割も担います。

両生類

両生類は皮膚から水分を吸収しますので、ケージ内の湿度は高めに設定する必要があります。カエルは骨盤や後肢の腹側の皮膚(ペルビック・パッチ)から水分を吸収しやすいことが知られています。

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爬虫類飼育者は必ず読むこと!

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湿度管理

空気中の湿度の管理は、霧吹き、飲み水の水容器の常設、通気によってコントロールします。ケージ全体の湿度を上げられない場合は、床敷に湿気の多いミズゴケなどを使うのも一方法です。地中性のヘビ、トカゲモドキ、イモリなどの多湿を好む種類は湿気のある床敷が必要になります。ミズゴケ以外にもヤシガラ土などの植物系の床敷は湿らせて使う方法もあります。

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シュエルターでも、湿度を保てるタイプがウエットシェルターあるいはモイストシェルターとして販売されています。

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水槽やケージ内に、定期的に散水をする方法や定期的な温浴を行う方法もあります。

爬虫類の温浴の詳細な解説はコチラ!

また、爬虫類用の加湿器もありますが、グリーンイグアナなどの大型の爬虫類では、ケージをおく部屋に加湿器を設置しないといけません。

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この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。