オカメインコの品種(みんなオカメ顔)

オカメカラーでないオカメもいる

オカメインコは品種改良により、羽色や模様のバリエーションが多数作られています。品種の呼び方は愛好家や専門家によって、違いがあります。体の色、顔の色、 模様の組み合わせで、ノーマル以外にも、ルチノー、シナモン、ホワイトフェイス、イエローフェイス、パイド、パール、スノーホワイトなどが流通し、イエローやエメラルドなどの珍しい品種もいます。

ノーマル(並オカメ)

最も原種に近いカラーで、並オカメと呼ばれています。目は黒目で、足やクチバシは灰色をしています。

ルチノー(白オカメ)

黒色色素が抜けで、首から下がクリーム色、頭部と冠羽は黄色、チークパッチがオレンジ色をしています。雛は赤目が特徴ですが、成鳥になるとブドウ色に変化します。脚や嘴は肌色をしています。

ルチノーは頭頂部の羽が生えていない無羽域が顕著です。

シナモン

ノーマルとよく似ていますが、メラニン色素が減少したため、グレーの代わりに灰色と茶色が混ざった銀茶色(シナモンカラー)をしています。シナモンカラーは薄色から濃い淡色まで幅広く、個体によって大きく異なります。色素の変化は嘴や脚、目にも見られます。ノーマルと違って足はピンクがかった黄褐色になり、爪は茶色、目はブドウ目をしていることで鑑別します。

パイド

パイドはノーマルのメラニン色素が部分的に抜けて、体のところどころに白色やクリーム色のまだら模様が現れます。色抜けの度合によって名称が異なります。色抜けが30%未満だとライトパイド、30%以上70%未満だとミディアムパイド、70%以上だとヘビーパイド、100%だとクリアパイドと呼ばれます。また色抜けの位置により、左右対称に色を残すリバース、頭部のみが完全に色抜けをするクリアフェイスという呼び方もあります。パイド同士の交配だと両親よりも色抜けの割合が大きくなります。

ノーマル以外にも、ルチノーやシナモンなどいずれの品種にもパイドが作られています。

オカメインコ

パール

羽のメラニン色素が抜けて白色やクリーム色の波模様あるいは水玉模様が見られます。

オスは男性ホルモンの影響で、成熟すると水玉模様が薄くなったり、所々に抜けていき、年をとると再び表れます。男性ホルモンはメラニン色素を増加させる効果があり、そのために色素が抜けた水玉模様が少なくなってきます。換毛したばかりの羽毛にはメラニン色素が多く含まれているため、水玉模様が見られずに単色になり、しばらくして模様が現れます。

パールはチークパッチも黄色が濃いゴールデンと白色を帯びているシルバーと言うタイプに分けることがあります。ノーマル以外に、シナモンやルチノーの各カラーにパールがいます。

シナモンのパール
ルチノーのパール

ホワイトフェイス

オカメインコの特徴となる黄色の頭、オレンジ色のチークパッチが見られず、頭と顔が白色になっています。黄色の色素が抜けているため、灰色と茶色を作りだすメラニン色素だけが残ります。他にも尾羽のサイドが白色になり、翼に白い斑点または縞模様も見られます。

オカメインコ

イエローフェイス

頬のチークパッチが、顔全体の黄色よりも少し濃いあるいはオレンジ色を帯びている程度で、あまり目立たないです。

オカメインコ

スノーホワイト

全身が白色で、目は黒目をしています。白色のパイドの完全な色抜けをクリアパイド、ホワイトフェイスの遺伝子を持つとホワイトフェイスクリアパイドとも呼ばれます。

イエロー

全身が黄色に珍しい品種で、バターカップとも呼ばれます。ルチノーも羽毛形成不全になると、全身が黄色くなるので間違えないでください。

エメラルド

オカメインコには緑色の色素がないため、オリーブまたはシルバーと呼ばれることもあります。実際には緑色ではありません。メラニン色素が減少し、黄色と灰色が混ざって、エメラルド(オリーブ色?)に見えます。頭部は濃い灰色で、背中、胸や下半身には波模様が現れます。

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。