瞳孔の形状は、 濃い褐色の虹彩では縦長のスリット状ですが、縮瞳時はさらに細くなり、ほぼ完全 に閉鎖できます。野生のチンチラはアンデス山脈の標高が高い地域に棲息しているため、日中の強い紫外線から眼を保護するためと言われています。
ブドウ目や赤目では
ブドウ色や赤色の虹彩をもつチンチラの瞳孔はスリットが鈍く、縮瞳すると小さい楕円形を呈します。ブドウ 色や赤色の虹彩を異常と判断するべきか、品 種特異的な正常所見であるのかは分かっていません〔Walls et ak.1963〕。
形状だけでなく機能もおかしい
薬剤(トロピカミド 1%,フェニレフリン 10%)による散瞳の反応は毛色によって異なり、褐色では散瞳するが色素の薄い虹彩では十分に散瞳しません〔Lima et al.2010〕。
参考文献
- Walls GL.The Vertebrate Eye and Its Adaptive Radiation:p.652.Hafner Publishing.1963
- Lima L,Montiani-Ferreira F,Tramontin M et al.The chinchilla eye:morphologic observations,echobiometric findings and reference values for selected ophthalmic diagnostic tests.Vet Ophthalmol13.Suppl:14-25.2010