チンチラの品種(いろんな色がいる)

グレーだけでない

野生での元の毛色は斑のある黄灰色でしたが、 選択的繁殖により、現在はブルーグレーまたは黒色を帯びたシルバーグレーとなっています〔Donnelly et al.2004〕。 白、銀、黒、ベージュの色の突然変異があり、毛皮とペットの取引がより多くの色とバリエーションの開発につながりました〔Hillyer et al.1997〕。 毛皮の色は、ベージュ、パール、パステル、ホワイト(ウィルソンホワイト、ホワイトシルバー、プラチナ、ピンクホワイト、アプリコット)、バイオレット(アフロビオレット、ローデシアバイオレット、ドイツバイオレット)、サファイア、チャコール(パステルチャコール、サファイアチャコール、バイオレットチャコール、エボニー(ブラウンエボニー、チョコレートエボニー、パステルエボニー)、ベルベット(ブラックベルベット、ブラウンベルベット、パステルベルベット、パステルベルベット、 ブロンドベルベット)など多くのバリエーションが流通しています〔Donnelly et al.2004〕。

ノーマル(グレー)

背中は灰青色で、お腹は白色を帯びています。灰青色は全体的に明るいものから純粋な灰色に近いものまで幅があります。目の周りや鼻先などに一部白色を帯びています。グレーとも呼ばれています。

バイオレット

全身が薄紫色をしており、とても綺麗な色で、高級感があります。

サファイア

バイオレットに比べて、青色や灰色が強く出ており、腹部が白色を帯びています。個体によって黒目やぶどう目をしています。

シナモン

全身が薄茶色をしており、目は赤目です。

ベージュ

シナモンと似ており、全身が薄茶色ですが、目は黒目であることで鑑別します。

ホワイト

時おり灰色の毛が混じりますが、ほぼ白色で黒目をしています。なお、ホワイトは劣勢(潜性)致死遺伝子を持っています。

パイド

体の色は白色がメインですが、頭や背中に灰色が混ざっており、ホワイトモザイク(パイド)と呼ぶことがあります。

アルビノ

黒色色素が欠乏しているため、全身が白色で、目は赤目です。

ブラックベルベット

全身が黒色で、ベルベットとは胸からお腹は白色を帯びている色を指します。なお、ベルベット種は劣勢致死遺伝子を持っています。

エボニー

全身が黒色をしており、黒光りしてとてもきれいにみえます。

シールポイント

シャム猫の毛色に似ていることから命名され、体は白色で、耳と尾が黒色を帯びています。

アンゴラ

毛色ではなく、長毛種になります。長毛種は1960年頃にアメリカの毛皮のブリーダーの所で突然遺伝子として発見され、2005年にアメリカで長毛種の基準を作られました。毛色はスタンダードグレー以外にホワイト、ブラックベルベット、バイオレットも登場し始めています。

参考文献

  • Donnelly TM,Brown CJ.Guinea pig and chinchilla care and husbandry.Vet. Clin.North Am.Exot.Anim.Pract7:351-373.2004
  • Hillyer EV,Quesenberry KE,Donnelly TM.Biology,husbandry,and clinical techniques of guinea-pigs and chinchillas.In Ferrets,Rabbits,and Rodents:Clinical Medicine and Surgery.Hillyer EV,Queseberry KE.eds.Saunders.Philadelphia:243-259.1997

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。