陸生イモリ・サラマンダーの飼育

Contents [hide]

陸生イモリ・サラマンダー

陸生の強いファイヤーサラマンダートウブタイガーサラマンダー、オビタイガーサラマンダー、スポテッドサラマンダーの飼育について解説します。

ケース

これらの仲間は飼育下では不活発な種類が多く、乾燥や衛生状態に配慮すれば体長の割に大きなケージは不要で、20~40cm のガラス、プラスチック、アクリル製のケースや水槽などを使用する。なお、蓋はステンレスメッシュ製や孔あきのプラスチック製などで通気性のよいものを選びます。しっかりと蓋ができないと、壁面を容易に登って逃走するので注意して下さい。

湿度

基本的に陸棲ですが、ある程度の湿度を維持しないといけないため、床敷は保湿性の高い水ゴケやヤシガラなどを使用します。野生の成体は、繁殖期以外は水に浸かることはないが、飼育下では小さな水場や水容器を設置したり、時には霧吹きも併用したりして、湿度を保つ必要があります。

両生類・爬虫類用霧吹き

ジェックス ミスター

本当の霧かよ!加圧して細かい霧をつくれるスプレーです。

近年は自動で霧を発生させて噴霧できる装置のミスティングシステムという便利な商品が販売されていますデジタルタイマーで噴霧するタイミングと回数を指定すれば自動的に噴霧を行いますので、両生類の飼育でも使われています。

小さいケージのミスティングシステムならコレ

サンコーポケットタイマー付き ミストシステム

絶対に必要!自然の降雨や熱帯雨林の湿潤な環境を再現し、定期的にミストを発生させます。本体も小型で軽量、取り付け簡単、お好きな容器をウォータータンクとして使用でます。360°回転スプレーノズルで降雨角度が調整もでき、噴霧間隔と噴霧時間もコントロールさせます。

迷うならコレ

サンコーデジタルタイマー付き加湿器 4L

パンサーやジャクソンを飼育して、定期的に湿度を上げたい時には使って下さい。ウォータータンクも付いており、噴霧間隔と噴霧時間もコントロールできる標準スペックです。

大きなケージならコレ!

ジェックス モンスーンマルチ 8L

大きなケージや複数のケージに対応!大きなウォータータンクが付いており、定期的にミストを発生させます。噴霧間隔と噴霧時間もコントロールが可能で、別売パーツでノズルを最大6本まで拡張できるんです。

床敷に湿った土を使用すると、身体について汚れるため、観賞的には優れません。

お薦め温度計・湿度計はコレ!

ジェックスデジタル温湿度計

コンパクトに設置できるので大人気!一番売れています。

シェルター

この仲間は薄明薄暮性で、地上・地中棲傾向が強いため、陸場には身体を隠す流木や植物、岩、シェルターなどを必ず設置します。隠れるスペースをもうけないとストレスになります。

シェルターの詳細な解説はコチラ

温度

陸棲の有尾目は特に涼しい環境を好み、至適環境温度域(POTZ)は10~20℃です。温度管理は夏と冬に必要で、特に夏の高温には注意し、部屋のエアコンで温度調節を行うか、少なくともケージを風通しのよい涼しい場所に設置します。冬眠させない場合、冬の低温時はフィルムヒーターやパネルヒーターなどを敷いて温度を調節して下さい。

照明

基本的に照明は不要ですが、日内リズムをつける目的として昼間は明るく、夜間は暗くした方がよいです。また、飼育設備内に植物や水草を入れた場合、その成長のために光が不可欠となり、観察の目的からも観賞魚用の蛍光灯を使います。

給餌

給餌は週に1~3回の割合で行い、回数は幼体では多く、成体では少なくします。餌はイモリ用のペレット、コオロギやミルワームなどの昆虫、タイガーサラマンダーの成体などの大型個体には、頭と同じサイズのピンクマウスを与えます。

ミルワームの選び方とお薦め商品はコチラ

掃除

水槽や床敷が排泄物などで汚染されると、アンモニアが体表から吸収されて自家中毒を起こすため、こまめに取り換えて下さい。両生類は人獣共通感染症(ズーノーシス)であるエロモナス菌やサルモネラ菌を保菌していることが多いです。掃除の後にケージも殺菌するために日光浴や消毒をするように心がけましょう。

【病気】エキゾチックアニマルのサルモネラ菌と人獣共通感染症の解説はコチラ

しっかりとした消毒ならコレ

マイクロシン®ソリューション 500mL

ケージの消毒にはコレ!マイクロシンクリーナーは最先端特許技術によりウイルス、細菌、真菌(カビ)を瞬時に阻害し、清潔な状態にしてくれます。動物が口にしても何も影響しない成分です。おまけに糞・尿の嫌な臭いまで除去します。 医療機関や動物病院の病室やICU、手術室などで使用されている優れ物です!

【生理】両生類の分類・特徴の解説はコチラ

カラーアトラス エキゾチックアニマル(爬虫類・両生類編)

両生類好きなら持っていないといけない本!

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。