アカハライモリってどんなイモリ(知らないといけない生態と特徴)

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イモリと言えば

アカハライモリはニホンイモリもしくは単にイモリとも呼ばれる日本固有種の両生類です。国内外でペットとして飼育されるだけでなく、本邦では生物学研究の実験動物としても数多く利用されています。

分類

分類:有尾目イモリ科イモリ属
学名:Cynops pyrrhogaster
英名:Japanese fire(red)bellied newt
別名:ニホンイモリ、イモリ

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分布

日本(本州、四国、九州)

地域群

アカハライモリは分布域が広く、亜種はいないとされていますが、幾つかの地域群に分けられることがあります。地域群は遺伝的、に形態的、繁殖行動的にも違いが見られます。これは、種分化の途上にあると考えられています。遺伝的には、東北・関東・西日本・南九州グループに分けられ、中部・近畿を含む本州中央部には、東北・関東・西日本の中間的特徴を持つものや各集団の特徴をモザイク型に持つものがおり、これを中間型と呼ぶことで5つのグループ分けがされています。形態および行動学的には、東北・関東・中間・渥美・篠山・広島および中間の6つのグループに分けられています。しかし、このうち渥美タイプは絶滅してしまったと考えられています。また、形態的に最も特徴的とされている篠山タイプ(近畿西部~中国東部)は、独立亜種としてC.p.sasayamaeを与えられましたが、生化学的には亜種として認められません。

生態

環境

本州、四国、九州に分布している日本固有種で、流れの少ない淡水域に棲息します。かつては、平地から丘陵地や山間地の水田や池、河川などに広く見られましたが、近年は平地には見られなくなり、年間を通して生活できる適当な水域が減少していることが衰退の主な原因とみなされています。現在は主に山際や山間部に生息し、環境省のレッドリストで純絶滅危惧種に指定されています。

生態

変態後数年間の幼体や成体の非繁殖期には、水辺の林や水気の多い枯れ草の下などに潜むことが多い半水棲種です。基本的には夜行性ですが、昼も結構行動します。冬は水場の近くの落ち葉の下や石の下などで冬眠します。

食性

食性は動物食で、小さな節足動物やミミズの他に魚の死骸なども食べます。

身体

全長:8~13cm

寿命

20~25年

性格

一般的に活発なイモリです。

特徴

細長い

胴は細長く、小さな四肢と発達した尾を持ちます。前肢は4趾、後肢は5趾で、吸盤や水掻きは備わっていません。

模様

背側の体色は黒色~茶褐色で、腹側は赤色と黒色の警告色の斑紋が入ります。

腹側の斑紋には地域差や個体差があり、黒色一様の無斑のものや、背側まで赤色を帯びるものもいます。

耳腺

オスでは発達した耳腺が目の後方に見られます。

尾鰭

尾は発達して平たく、尾鰭も備わっており、遊泳の際に使われています。

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繁殖

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この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。