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パワーフィーディングとは?
パワーフィーディング(Power feeding)は、大型の生体を仕上げる際に、積極的に餌を与えて、早く大きく発育させる給餌方法のことです。一般的にヘビの給餌は、腹周り前後の大きさのマウスを週1回に1~2頭を与えますが、パワーフィーディングでは1回に与えるマウスを多くしたり(チェーンフィーディング:Chain feeding)、週2回与えたりします。つまり、普通に成長するよりも給餌量を増やして、急速に大きくします。爬虫類は代謝によって消費するエネルギーが変わりますので、餌にあまり興味ない時もあります。パワーフィーディングをしても食べない時は、無理しないで下さい。採食量が増えて栄養過多になり、結果的に拒食になったり、普通に給餌した個体と同じ成長速度で終わることもあります。
パワーフィーディングの目的は以下の通りです。
- 早く繁殖を行いたいので成熟した体にさせる
- 産卵前の栄養補給
- 産後や病気からの回復期の栄養補給
早く繁殖を行いたいので成熟した体にさせる
爬虫類の性成熟は体の大きさで決まります。野生ではゆっくりと成長しますが、飼育下では給餌量を増やすことで、繁殖を早くにできるようになります。急いで大きくして繁殖をしても卵巣が未発達なために、無精卵ばかり産むこともあります。
産卵前の栄養補給
繁殖期を迎えて産卵するには、栄養がとれていないといけません。栄養不良だと発情もしないし、卵も産みません。
産後や病気からの回復期の栄養補給
産後や病気からの回復期は、体力をつけるためにパワーフィーディングをすることもあります。
ちなみにチェーンフィーディングとは?
チェーンと略されたりもします。例えばマウスを飲み込んでいる時に、そのマウスの後方から次のマウスを続けて飲ませる方法で、鎖のように続けて食べさせます。チェーンフィーディングはヘビの意思に関係なく行うので動物虐待ともいわれ、賛否両論です。
パワーフィーディングのデメリット
- 吐き戻し・消化不良
- 代謝製骨疾患
- 餌代がかかる
吐き戻し・消化不良
通常よりも多めの餌を与えるためリスクが高くなります。
代謝性骨疾患
急に成長させるので骨の発育がついていかず、骨が薄くなったり(骨軟化症)、変形したりします。
餌代がかかる
予算と相談して下さい。
パワーフィーディングのコツ
- 温度/湿度管理
- 好物の餌
- 小さめの餌
温度・湿度管理はしっかり
パワーフィーディングをした後は、温度・湿度管理は普段よりも入念に行って下さい。消化不良を起こす原因になります。
好物の餌
嗜好性の高い餌を使った方がよいです。ヘビの場合は生きたマウスがよいでしょう。
小さめの餌
普通に与える大きさの餌よりも、小さめにしてください。マウスで言えば、LサイズのものをMサイズに変更します。大きな餌を1つ食べるよりも、小さな餌なら2つ食べたりします。
まとめ
パワーフィーディングは目的と生体のことをよく知った上で行ってください。良いと思ってやったことが、反対に体を壊す原因にもなりかねないです。無理なパワーフィーディングは絶対にやめてください。