冷凍マウスの解凍方法

目次 [非表示]

ただ解凍するだけではない

冷凍マウスはヘビやモニターなどの肉食性のトカゲに最も与えられている餌です。保管する上で便利な冷凍されたマウスを解凍して与えますが、マウスが冷たかったり、匂いが少ないとヘビでは拒食します。解凍の方法によって餌食いが変わってくるので面倒な所もあります。また、内臓までしっかり解凍しないまま与えると、吐き戻しや食滞の原因にもなりかねませんし、特にヘビでは吐き戻しもよく起こります。解凍の方法には以下の4つになります。

  • 自然解凍
  • バスキングライトやプレートヒーターでの解凍
  • 電子レンジでの解凍
  • お湯での解凍

解凍する方法によっては、内臓までしっかり解凍できていなくて冷たい場合があります。解凍すると餌が水で濡れた状態になります。どちらも、拒食の原因になりますので、給餌の前にはマウスを手で触って確認して下さい。触った時にほんのり温かいくらいが一番食いつきが良いと思います。また、指でマウスのお腹を軽く押してみて、解凍できていない硬い部分があるかをチェックします。この感触を掴むために、何度か経験をしないと分からないでしょう。水で濡れている場合は、よく水気を取ってから与えるようにします。そのまま濡れている状態で与えても大丈夫なこともありますが、神経質なヘビでは嫌がることも少なくありません。また、餌が濡れていると、床材が着いてしまうため、それを嫌がるヘビもいます。そして、もう一つ大切なことは、解凍方法によっては匂いが出すぎて部屋中が臭くなることがあります。いずれにせよ、冷めたマウスには興味を示さないこともありますにで、解凍したらなるべく早く与えるようにして下さい。

自然解凍

自然解凍は最もシンプルな方法ですが、夏場などの気温の高い時期を除けば、解凍するまでの時間がかなりかかります。自然解凍をしたマウスは触わっても暖かくないので、内臓まで十分に解凍できない場合が多いです。また、時間がかかるとマウスの匂いを通り越して腐敗臭がしてきます。

バスキングライトやパネルヒーターでの解凍

バスキングランプの下やパネルヒーターの上にマウスを置いて解凍させる方法で、自然解凍よりは早く解凍できます。しかし、一度に多くのマウスを解凍すると温度にムラがでたり、1頭のマウスでも、ライトやヒーター近くの面はよく温まりますが、解凍できていない部分もでてきます。自然解凍やお湯につけての解凍の仕上げに、ライトやヒーターを使って再度温めるといった方法をとることもあります。

電子レンジでの解凍

電子レンジを使っマウスを解凍する方法は、内臓まで短時間で確実に解凍できますが、解凍時間の目安がつかみにくく、明確な時間は個々に試して決めないといけません。また人の食べ物と同じレンジを使うことに家族の理解を得にくい欠点もあります。

お湯での解凍

最も確実で、ビギナーにも手軽に行える方法は、お湯による解凍だと思います。電子レンジでの解凍と比べて時間はかかりますが、その分マウスの内臓まで確実に解凍できます。お湯で解凍する方法は、マウスをビニールのパックに入ったまま行う方法とパックから出して直接マウスをお湯に浸ける方法があります。早く解凍したい場合はパックから出し行いますが、マウスを浸けたお湯から匂いが出て、部屋中が匂くなることがあります。ある程度時間に余裕がある場合はパックに入ったままで行うとよいでしょう。タッパにお湯を張り冷凍マウスをいれますが、お湯の温度は様々な見解があり、マウスを触ってみて、人肌よりちょっと温かいかなというくらいに仕上げて下さい。

爬虫類飼育者は必ず読むこと!

爬虫類.カメ・ヘビ・トカゲ・ワニ.長く健康に生きる餌やりのガイド

目からウロコ・・・この本もヤバすぎ!

まとめ

解凍一つで餌食いが変わってきます。色々な方法を試して、自分の飼っている爬虫類に最もよい方法を選らんで下さい。

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。