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排泄の間隔は様々
ヘビは糞や尿を毎日排泄するわけではありません。彼らの消化器系と排泄系は、他の爬虫類よりもはるかに代謝が低く、消化にも時間を要する特徴があります。したがって、ヘビが長い間排泄が見られないこともあり、異常(便秘)との鑑別に悩むケースが多いです。ヘビの排泄間隔は、1 ~4週間に1回などと書物に書かれ、その期間も幅広いです。採食の頻度が高いほど、比例して排泄頻度も比例して高くなります。したがって、1歳未満の幼体のヘビは、成体よりも採食と排泄頻度は多いです。また、活動性の高いナミヘビでは食後1~2週間程度で排泄します。活動性が高いヘビでは敏捷性が高く、樹上性の種類では体が軽くするため、大型体に動きの緩慢な種類よりも頻繁に排便します。動き回る場合、餌を体内に溜め込んでいては行動効率が低下するためにも毎食後に排泄します。
パイソンは月1回?
ニシキヘビやボアなどの大型のヘビは、動き回るというより獲物を待ち伏せして補食するタイプです。待ち伏せして補食する場合は、体が重たい方がバランスをとるにも役立つそうです。大きな餌を補食した後に、一箇所に留まり、ゆっくりと消化に時間をかけます。3~4回の採食に1 回位の割合で排便する傾向にあり、排泄周期も1ヵ月以上の場合もあります。
もちろんヘビの種類に関係なく、大量の餌を採食した場合、消化に時間を要するため、排泄するまでの時間も長くなります。また、ヘビの餌は骨のある生体や冷凍マウスが多く、この餌に対応するため、ヘビは強い胃酸と消化酵素を持合わせ、胃腸で骨を溶かすことができます。獲物が完全に消化できるように、数日~数週間に渡り消化管内にとどまるため、餌の種類やヘビの健康状態によっても排泄するまでの期間が異なってきます。ただし、ヘビは、マウスの被毛や爪、または鳥の羽毛を消化できませんので、糞に混じって排泄され、消化にも影響します。
尿は頻繁
一般的にヘビの排泄では糞と尿が見られますが、排尿(尿酸)だけすることもあります。身体の乾燥状態(脱水)で排尿間隔も異なり、脱水していると水分を蓄積する傾向にあるため、尿量は少なくなります。当然、乾燥地域に生息するヘビは、湿潤地域のヘビよりも排尿の頻度が低くなります。なお、ヘビの尿臭は他の爬虫類よりも強く、これは尿が非常に強く濃縮されるためです。ケージ内に排尿すると、放置された尿酸は細菌による分解を受けてアンモニアを生じることで臭いが強くなります。ヘビが時々アンモニア臭いのは、自分の尿が体に付着して時間が経っているからです。