ヘビの飲水

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飲水量

ヘビは捕らえた獲物からも水分を摂取しますので、水だけを大量に飲むことはありませんし、ヘビの種類や大きさ、あるいは個体によって飲水量は異なります。水を求めて水中に入る行動をとることもありますが、食後や体温が上がり過ぎた時または脱皮の時など水をよく飲みます。

水の飲み方

ヘビの飲水を観察すると舌を出し入れはしていますが、水をすくうように舌を丸めることはしていません〔Mcdowell 1972〕。頭は静止したまま水を飲むことができています。このヘビの飲水の様式はボアコンストリクターで研究されています。口腔咽頭腔の底を下げて口腔と咽頭を広げます。顎の先端が分かれて舌管から舌が出てきて水が口腔咽頭腔にスポンジのように最初に吸い込まれます。次に顎を閉じて舌ももとに収納されることで舌管を閉じ、口腔咽頭腔の底を上げて圧を上昇させることで水を食道に流し込みます。

脱水すると・・・

ヘビは脱水をすると脱皮不全や尿酸結石が直腸につまっての便秘が起こります。ヘビは水容器の中で排泄をすることが多く、水は汚れやすくなりますので、水容器の中の水は常に綺麗にしておきましょう。

ヘビの水容器

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脱水予防法

水分を自らあまり採っていないようで、脱皮も上手くいかず、尿酸も固いようであれば、餌のマウスを与える前にスプレーをしたり、温浴の頻度を上げたりするなどの策をとって下さい。

参考文献

  • Kardong KV,Haverly JE.Drinking by the Common Boa,Boa constrictor.Copeia1993(3):808-818.1993
  • Mcdowell S.The Evolution of the Tongue of Snakes,and its Bearing on Snake Origins.Evolutionary Biology:p191‐273.1972

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。